天野純(横浜F・マリノス) (C)J.LEAGUE

5000人のファン・サポーターの前で開催される『2020明治安田生命J1リーグ』第4節。7月8日に持ち前の攻撃力を発揮し今季初勝利を挙げた横浜F・マリノスと、まさかの大敗で今季初黒星を喫したFC東京が激突する。

前節、湘南ベルマーレに先制された横浜FMの反撃の狼煙は63分の選手交代となった。アンジェ・ポステコグルー監督はFWオナイウ阿道、MF水沼宏太、天野純の3枚替えを敢行。すると3分後、ベルギーから10か月ぶりに横浜へ戻ってきた天野がGKの位置を計算したループシュートを決めた。77分にはオナイウからパスを受けた天野がエジガル・ジュニオとのワンツーでペナルティエリアに侵入し、相手DFふたりを抜き去り左足一閃。79分に同点にされるも、87分には4クラブを渡り歩き10年ぶりに古巣へ舞い戻った水沼のクロスをオナイウがヘッドで押し込み再度逆転。3-2と試合をひっくり返し、星を1勝1分1敗とした。

昨季のハマの背番号10・天野は試合後、「今日はサブの選手で流れを変えようと盛り上げ、いい準備ができていたので、こういう結果が生まれたと思う。宏太くん、(大津)祐樹くん、僕もだが、経験のある選手がチームを引っ張って、苦しい時にチームがひとつになったと感じた。全員で戦う姿勢を見せることができた」と胸を張った。

王者はらしさを垣間見せたが、まだまだ本調子とは言えない。湘南戦を含め、今季は前半に苦しみ、後半にエンジンがかかる試合が続いている。そろそろスロースターターの悪癖を修正したいところ。

一方、0-4と川崎フロンターレに完敗を喫したFC東京は、切り替えるしかない。次のゲームは中3日で待っている。試合後の長谷川健太監督は「後半点差がある中で、選手がゴールを狙う、ゴールを守るというところで気持ちを出してくれた。後半は次につながる試合ができたのではないかと思う」と敢えて手応えを語れば、東慶悟主将も「しっかり映像を見て反省するところは反省して、監督が言ったようにできていた部分もあるので、切り替えていくしかない」と前を向いた。惜敗も大敗も1敗は1敗でしかない。FC東京は開幕2連勝している。まだ2勝1敗だ。落ち込む時間もなければ、落ち込む必要もない。

リーグ戦での対戦成績を振り返ってみると、FC東京が17勝8分13敗と勝ち越し、ここ10試合の戦績ではFC東京の5勝1分4敗とほぼ互角。

果たして、横浜FMが連勝をマークするのか、FC東京が嫌な流れを断ち切るのか。『明治安田J1』第4節・横浜FM×FC東京は7月12日(日)・日産スタジアムにてキックオフ。試合の模様はDAZNにて生配信。