フジ系土曜11時10分からの『主に泣いてます』も、コミックの雰囲気が出ていて、ハマるとかなり楽しめる作品。美人過ぎて不幸な主人公・泉を演じる菜々緒も、子泣き爺、武藤敬司、ねずみ男、元ジャイアンツのクルーン、向田邦子四姉妹の長女などのコスプレでかなり頑張っているが、トキばあ役を高泉淳子がやっているところがいい。高泉淳子といえば、子供から老人まで何でも演じ分けられる、元「遊◎機械/全自動シアター」の看板女優。2話ではその高泉淳子も、けいおん！、刑事コロンボ、YUI、トッツィーの時のダスティン・ホフマンという渋い選択のコスプレ（？）を披露している。
そして、この作品のキーポイントは、やっぱりツンデレ中学生のつねちゃんだ。いろんな面を併せ持ったキャラで、片思いが連鎖するストーリーの中でも重要な役になる。演じているのは、草刈正雄の娘、草刈麻有。この役のために髪の毛をバッサリ切って、やや長めのオカッパ頭にしている。
草刈麻有は、『3年B組金八先生・第8シリーズ』（2007年10月～2008年3月）で私服登校していた森月美香役で一般的に顔が売れたと思うけど、個人的にはその前後にTBS・BS-iで放送された『東京少女』のほうが印象深い。『東京少女』というのは、若手女優を一話完結のドラマに主演させるシリーズで、堀北真希、北乃きい、多部未華子などもデビュー直後に出演していた。草刈麻有が出演している作品は、連ドラ版がDVDになっているので、未見の人は一度見てみてはいかがだろうか。30分一話完結の物語が4話収録されていて、「最高のラブレター」という話のキャラは、今回のつねちゃんにちょっと近い。「もうひとりの私」という話では父親の草刈正雄とも共演しているし、この2話は内容的にもオススメなのでぜひ見て欲しい。
あと、もうひとり『主に泣いてます』に出てくる強烈なキャラが、見た目は西郷隆盛で心は乙女の小桃ちゃんだ。演じているのは加藤諒で、ハマり過ぎるくらいハマっている。そういえば、彼がまだ小学生の頃に出ていた『あっぱれさんま大先生』でも、“おかまキャラ”として明石家さんまにいじられていたなあ。2話から小桃ちゃんをはじめとした共演者も揃ってきたので、あとは安達祐実が演じる由紀子が本格参戦すれば、さらに面白くなるはず。意外と40代くらいにウケる小ネタも多いので、大人が見ても楽しめると思う。
