ジュニオール・サントス(横浜F・マリノス)(C)J.LEAGUE
横浜F・マリノスらしい観る者を魅了するゲームだった。8月19日の『2020明治安田生命J1リーグ』第11節で、アンジェ・ポステコグルー監督率いる横浜FMは、昨季までの盟友ピーター・クラモフスキー監督率いる清水エスパルスと極上のサッカーを繰り広げた。
2分、加入後初先発のジュニオール・サントスがハーフウェイ手前からドリブルで前進しそのままシュートを決めて横浜FMが先制すると、10分後に左ウイング西澤健太が見事なミドルシュートを放ち清水が同点に追い付く。19分には同じく新加入のFW前田大然がコントロールされたヘディングでゴールネットを揺らすと、前半終了間際CBチアゴ・マルチンスがまさかのオウンゴールで振り出しに。試合終盤にさらにギアは一段上がる。84分にサントスの力強い右で勝ち越すと、86分に途中出場した渡辺皓太がダイビングヘッドをズバリ。90分にシュートの跳ね返りをDF金井貢史に頭でねじ込まれて1点返されるも4-3のビューティフルゲームを披露したのだ。
試合後、勝利したポステコグルー監督が「いいゲームができた。前節は悔しい思いをしたが、選手たちは切り替えて、ピッチで表現してくれた。その中で両チームが面白いサッカーを展開し、点を取り合うゲームができた」と満足した表情を見せれば、敗れたクラモフスキー監督も「いいフットボールだった。両チームとも自分たちのサッカーを仕掛けたゲームだったと思う。五分五分に近い状況だった。選手たちの運動量だったり、ハードワークだったり、献身的に戦う姿勢だったりを誇りに思う」と胸を張った。
新戦力が活躍し、昨季MVP&得点王の仲川輝人も戦線復帰した。その中での横浜FMが本来のゲームを取り戻したのだ。これ以上ない浮上のキッカケである。
対するサンフレッチェ広島はらしくない試合が続く。『明治安田J1』第10節・浦和レッズ戦は相手の7倍近いシュートの雨を降らせながら、PKの1点を守り切られた。前節FC東京戦は試合終了間際のMF川辺駿の劇的ゴールでドローに持ち込んだが、前半に喫した3失点は反省しなければならない。
リーグ戦での直接対決の通算成績では横浜FMが32勝6分18敗とリードするも、直近10試合では広島が5勝2分3敗と逆転する。
勝点はともに14。4勝2分5敗の9位・横浜FMに対して、1試合少ない広島は4勝2分4敗で8位。果たして横浜FMが星を五分に戻すのか、広島が再び上位を睨むのか。『明治安田J1』第12節・横浜FM×広島は8月23日(日)・日産スタジアムにてキックオフ。チケットはJリーグチケットにて発売中。試合の模様はDAZNにて生配信。





