小林悠(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE

見事な倍返しである。いや、3倍返しか。8月26日・ノエビアスタジアム神戸での『2020明治安田生命J1リーグ』第24節で前線からのプレスが効かずにヴィッセル神戸にシュート数、ボール保持率で圧倒された川崎フロンターレは2-2に持ち込むのがやっとだった。

悔しいドローから1週間、両軍は『2020JリーグYBCルヴァンカップ』準々決勝で再び激突。結果はご存じの通り、川崎Fがノエスタのピッチを支配したのだ。

7分、10番大島僚太のスルーパスを受けたエース小林悠がワントラップから左足を振り抜き先制すると、13分には左ウイング齋藤学のラストパスを受けた小林が今度はダイレクトに左足を当てた。21分には齋藤が見事なループシュートが決めた。

後半に入っても、川崎Fの勢いを衰えない。後半開始早々の46分にGKのキックミスを逃さず大島がカットするとさかさずゴール前のインサイドハーフ家長昭博へ。家長は落ち着いてGKの頭上を突いた。72分には大島と交代で入った脇坂泰斗が最終ラインのボール回しを奪取、ハーフウェイ過ぎからドリブルで突き進み、そのままシュート。87分には小林に代わって出場した宮代大聖が絶妙なトラップから右足一閃、6-0としたのだった。

1週間前に「今日はいいパフォーマンスができた。我々の方がポゼッションがあり、シュート数も多く、全体的に相手を上回るプレーができた」と喜んだトルステン・フィンク監督は試合後、「今日の試合を振り返ると全カテゴリーで相手が我々よりよかったので、ふさわしいチームが勝利した。(敗因は)ミスが多くていいプレーができなかったことと、相手が素晴らしいチームだというふたつだと思う」とうなだれるほかなった。

川崎Fは名古屋グランパス戦での初黒星、神戸戦での引き分けの後は第13節・清水エスパルス戦は5-0、9月5日の前節は横浜F・マリノスに3-1と再び無双状態へ突入。対する神戸は第13節・横浜FM戦は試合終了間際に追い付き3-3、第14節・湘南ベルマーレ戦は決め切れず1-1と内容と結果が結び付かずに3試合連続ドローと停滞している。

公式戦での通算対戦成績は川崎Fが18勝8敗9分と勝ち越すものの、9月2日の大勝劇の前は3戦勝利なし、神戸が2勝1分と盛り返していた。

果たして12勝2分1敗・2位に勝点8差をつける川崎Fがこのままひとり旅を続けるのか、4勝7敗4分・勝点19の暫定10位・神戸が勝ち越すのか。3週連続の対戦となる『明治安田J1』第15節・川崎F×神戸は9月9日(水)・等々力陸上競技場にてキックオフ。チケットは予定枚数終了。試合の模様はDAZNにて生配信。