ファン・アラーノ(鹿島アントラーズ) (C)J.LEAGUE

この勢いは本物である。9月23日・『2020明治安田生命J1リーグ』第18節で鹿島アントラーズが7連勝を飾った。

第26節・FC東京戦での2-1を皮切りに第13節・柏レイソルに3-2、第14節・名古屋グランパスに3-1、第15節・ベガルタ仙台に2-1、第16節・清水エスパルス戦2-1、第17節・セレッソ大阪戦2-1と勝利を重ねてきた鹿島は湘南ベルマーレ戦では三竿健斗を出場停止、土居聖真を負傷で欠いた。これまでの連勝を支えてきたスピーディな攻撃はなかなか見せられないものの鹿島がボールを支配し、多彩な攻撃を披露。だが、チャンスは作れどゴールが遠く引き分け濃厚と思われたアディショナルタイムに途中出場したファン・アラーノが2試合連続となる劇的ゴールを決め土壇場で勝点3をもぎ取ったのだ。殊勲のゴールを決めたアラーノは「シュートがDFに当たって、いいコースに飛んでくれた。運も味方してくれた。みんなで取った得点だと思う」と胸を張った。

思えば、連勝が始まったのは右SB内田篤人の引退試合の次の試合からである。偉大なレジェンドからのラストメッセージを受けてチームが即座に覚醒するほどサッカーは単純なものではない。それでも内田の「鹿島アントラーズは数多くのタイトルを取ってきた裏で、多くの先輩方が選手生命を削りながら勝つために日々努力する姿を僕は見てきた。僕はその姿を今の後輩に見せることができない。日々練習していく中で体が戻らないことを実感し、 “このような気持ちを抱えながら鹿島でプレーすることは違うんじゃないか”“サッカー選手として終わったんだな”と考えるようになった」という言葉は選手たちに確実に届いた。選手たちが改めてアントラーズらしさとは何かを強く意識し、日々実践していることだろう。

鹿島の8連勝をかけた相手は大分トリニータである。前節はサンフレッチェ広島相手にらしくない内容で0-2の完敗を喫したが、その前までは第16節・仙台戦3-0、第24節・FC東京戦3-2、第17節・横浜FC戦1-0と3連勝を飾っている。決して容易な相手ではない。

リーグ戦での直接対決の通算成績を見ると、鹿島が12勝4分3敗と圧倒。直近10試合の結果も9勝1敗、8月1日に行われた第8節でもエヴェラウドのハットトリックなどで4-1と完勝した。

果たして鹿島が8連勝を飾るのか、大分が第8節の借りを返すのか。『明治安田J1』第19節・鹿島×大分は9月27日(日)・茨城県立カシマサッカースタジアムにてキックオフ。チケットはJリーグチケットにて発売中。試合の模様はDAZNにて生配信、NHK BS1にて生中継。