■ズボラ飯≠手抜き?
“ズボラ飯”にはっきりした定義があるわけではないんですよね。
漫画を読む限りでは、“手抜き”ともやや違いますし、先に書いた“あり合わせ”や“間に合わせ”とも少し違うような気がします。この漫画ならではの表現と見た方が良さそうです。花さんは食べることが好きなだけあって、いろいろこだわりもあれば、手間ひまかける場面もあります。ただしその方向性が“楽”する方に強く向かっているのかなと。
例えばお隣さんから栗を貰う話があります。にこやかに受け取るのですが、直後に「チョー めんどくさそう」とうんざり顔になってしまいます。それでもネットで栗ご飯の作り方を調べるのは、前向きかなと思わせるのですが、
1.鬼皮と渋皮を丁寧にむきます(略)
2.浸しておいた栗を(略)
3.鍋から出して(略)
4.栗は(略)
次に「マル5 ただし 花には無理です」と打ちのめされて、額にキーボードの跡をつける始末です。結局、栗を1個だけ茹でてスプーンでほじって食べて終了。「1個はちゃんと食べたからいいでしょ」と言い訳しつつ、“くり”つながりでレトルトの“クリ”ームシチューに逃げちゃいます。栗を茹でたお湯をそのまま使う堅実なところを見せて、生パセリやコショウを挽く手間もきちんとかけます。
そして“栗見めし”と洒落込んで、貰った栗を見つつクリームシチューをかきこみます。いかがでしょう。なんとなくでも“ズボラ飯”を分かってもらえたでしょうか。
■花さんのダジャレ語録
さてそんな花さんですが、駄洒落が大好き。一人暮らしをしていると、口数が少なくなる人と、(独り言で)口数が多くなる人に分かれるようです。花さんは確実に後者。ゴロさんへの愛情表現、仕事のグチ、食べ物にかける思いなどが、よだれ以上に次から次へと口からこぼれていきます。いくつか挙げてみましょう。
ごはんが無いチンゲール
(シバ漬けを見つけて)シバの女王になれるかも
ルー多すぎでしょ ルー大柴でしょ
面食いなメークインさん
今宵はステキにステーキナイト
海苔か 藤原海苔か
根菜さん なんとかしてこんさい
残暑キビしすぎ良太郎
気取りすぎ良太郎
ゴロさんの次に杉様がお好きなのかも。でもキリがありません。でも人前で言わないのは、恥じらいがあるからでしょうか。明らかにオヤジギャグもあります。花さんはオバサンに片足どころか両足突っ込んでいるのかもしれません。また即興の踊りも好きな様子。風邪を引いてても、動き少なめでマロニー踊りをしちゃいます。夫であるゴロさんの前でも披露するのでしょうか。