中村憲剛(川崎フロンターレ) (C)J.LEAGUE

中村憲剛らしいあたたかみのある引退セレモニーだった。12月21日・等々力陸上競技場、『おフロの恋人! LOTTE presents 中村憲剛引退セレモニー&優勝報告会』が行われた。最後のあいさつで中村は「ありがとうとみんなが言ってくれたけど、ありがとうと言いたいのは僕の方です」と何度も感謝の言葉を口にした。

まず等々力に集った1万3000人のファン・サポーターに対して。
「この新型コロナの影響で大変な中、そして寒い中、ここに足を運んでくれたみなさん、本当にありがとうございます」

続いてクラブに対して。
「何でもない大学生を拾ってくれたフロンターレに感謝しかありません。本当にありがとうございました」

ホームタウンに対しても。
「地域密着を続けて、ともに歩んできた結果、今これだけ大きなクラブになった。自分がただサッカーをやっていればいいという発想の人間だったら、ここまでプレイヤーとして続けられなかったと思う。この18年間、本当に感謝の気持ちしかない」

中村はチームメイトたちへメッセージを送った。
「今いる選手たちには、これまで以上に愛する・愛されるクラブになっていってほしいなと心から願っている。フロンターレに関わる一人ひとりがフロンターレ愛を持って、それぞれの立場でフロンターレのために戦ってほしい」

子どもたちへはエールを届けた。
「僕自身本当に体が小さくて、体は強くないけど、40までプレーすることができた。何が言いたいかと言うと、体の小ささや身体能力の低さはハンデではないということ。子どもたち一人ひとりに可能性がある。それに自ら蓋をしてほしくないし、指導者の人たちも『小さいから、足が遅いから使わない』という目線で見ないでほしい。自分にベクトルを向けて毎日がんばれば、必ず道は拓けます。そして、周りが助けてくれます」

中村は家族にも感謝の言葉を並べた。
「この年齢になるまでプレーできる体に産んで育ててくれた両親。小さい頃からずっとサポートしてくれているふたりの姉、本当にありがとう。3人の子どもがいたからここまでがんばることができた。そして、加奈子さん(妻)。本当に感謝しかない。あなたと出会っていなければ、僕はここまで来られなかったと思う」

そして「本当に最高のプロ生活でした。僕は今日のこの景色を一生忘れません。本当に本当に感謝しています。フロンターレ、最高です。ありがとうございました」と感謝の言葉を続けた。

感謝の気持ちを胸に中村は最後の戦いに臨む。12月27日(日)・等々力陸上競技場での『天皇杯 JFA 第100回全日本サッカー選手権大会』準決勝、その先には1月1日(金・祝)・国立競技場での決勝が待っている。準決勝のチケットは予定枚数終了、決勝は12月26日(土)午前10時より一般発売。