『悪魔ちゃん』 10月13日~
日テレ系 土曜9時  期待度★★★☆☆

恩田陸の小説「夢違」を原案としたSF学園ファンタジー。表向きは誠実だが、実は変人で腹黒い女教師が、予知夢で未来が見えてしまう少女と出会ったことで、思いがけず世間の危機を救っていく。主演は北川景子。未来が見える“悪夢ちゃん”を演じるのは、朝ドラ『おひさま』で井上真央の教え子・ハナ(いちばん家が貧しかった子)も演じていた木村真那月。他に、GACKT、小日向文世、優香などが出演する。脚本は、NHKの『風林火山』や『テンペスト』、日テレの秀作『一番大切な人は誰ですか?』などを書いた大森寿美男。舞台となるのは、夢を映像化できるようになった世界なので、そのあたりの近未来感をどう出すか。あと、腹黒い女教師役という北川景子にも注目。


『高校入試』公式サイトより

『高校入試』 10月6日~
フジ系 土曜11時10分  期待度★★★★☆

名門高校の入試を舞台に、入試前日と入試当日の2日間を中心に描くミステリー。『告白』『贖罪』などの作家、湊かなえが脚本を書き下ろすオリジナルストーリーとなる。出演は、長澤まさみ、南沢奈央、中尾明慶、徳山秀典、斉木しげる、山本圭、高橋ひとみ、美山加恋など。湊かなえは、作家デビューする前に、脚本家としてBS-i新人脚本賞の佳作や創作ラジオドラマ大賞を受賞しているので、脚本を書くこと自体には問題ないと思う。チーフDは『じゃじゃ馬ならし』『いいひと。』『僕の生きる道』『僕の歩く道』などの星護。昔はテロップを見なくても星護と分かる演出をしていたが、今回はどんな映像を見せてくれるか。いずれにしても、濃密なミステリーになりそうなので、見始めたらハマりそう。


『Piece』 10月6日~
日テレ系 土曜24時55分  期待度★★☆☆☆

芦原妃名子の同名コミックをドラマ化。同級生の死をキッカケに再会した男女が、その同級生の元恋人を探していくうちに、隠されたさまざま過去が明らかになっていく。ドラマは高校時代の恋愛を描く前半と、3年後の現在を描く後半に分けて描かれる。出演は、中山優馬、本田翼、松村北斗、鈴木愛理、安井謙太郎、荒井萌、水野絵梨奈、野澤祐樹など。『スプラウト』の後番組ということで、キャスティングも似たような傾向になったが、意外と見応えのある作りになるかも。とりあえずチェックしておいても損はしないはず。

 

『TOKYOエアポート~東京空港管制保安部~』 10月14日~
フジ系 日曜9時  期待度★★★☆☆

航空管制官の仕事にスポット当てた人間ドラマ。出演は、深田恭子、佐々木希、要潤、瀬戸朝香、時任三郎、瀬戸康史、梶原善、別所哲也、佐藤江梨子、山口紗弥加、野波麻帆など。映画『ハッピーフライト』やCSドラマ『TOKYOコントロール』をプロデュースした関口大輔がスタッフに入り、リアルな現場が描かれる模様。時任三郎、梶原善、別所哲也、野波麻帆などは、『TOKYOコントロール』と同じ役名で登場するので、同じ世界観と考えていいのかもしれない。舞台設定は地上波としては珍しいのですごく楽しみだが、深田恭子や佐々木希が管制官という設定に若干の不安も。2人のしゃべり方の魅力はもっと別のところにあるような気もするので……。お仕事ドラマの宿命として、キャストがプロっぽくみえるかどうかがカギか。


『MONSTERS』 10月21日~
TBS系 日曜9時  期待度★★★★☆

香取慎吾と山下智久が刑事としてコンビを組むミステリー。香取慎吾が変じる平八は、細かいことにうるさく無礼だが、言葉遣いは極端に紳士的という変わり者。一方、山下智久が演じる西園寺は、超セレブの御曹司で、とにかく丸いものが好きという正義感にあふれる新人刑事。誰も部下になりたがらない嫌われ者なのに、ひとりで次々と事件を解決する平八を、西園寺が監視するという形で2人のコンビが結成される。出演は他に、遠藤憲一、大竹まことなど。丸いものが好きな西園寺の恋人役として、柳原可奈子も出演する。脚本は『TRICK』『富豪刑事』『MR.BRAIN』などの蒔田光治。チーフDは『砂の器』『華麗なる一族』『MR.BRAIN』などの福澤克雄。楽しんで見られるエンタメ刑事ドラマになりそう。

 

たなか・まこと  フリーライター。ドラマ好き。某情報誌で、約10年間ドラマのコラムを連載していた。ドラマに関しては、『あぶない刑事20年SCRAPBOOK(日本テレビ)』『筒井康隆の仕事大研究(洋泉社)』などでも執筆している。一番好きなドラマは、山田太一の『男たちの旅路』。