誰も信用できない時代を生き抜いた人々の物語

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『ローグ・ワン』が戦争映画なら『ハン・ソロ』は西部劇。

ハン・ソロが天才的パイロットとして活躍するシーンももちろん見所ですが、銃撃戦が多く西部劇のような撃ち合いが描かれます。

ハンやチューイ、ランド・カルリジアンといったエピソード4以降でおなじみのキャラクターの昔の姿はもちろん、新キャラクターも数多く登場します。

しかし『ローグ・ワン』の主人公たちがそうだったように、彼ら新キャラクターはエピソード4以降には登場しません。

ハン・ソロと共に戦った彼らはなぜ後に登場しないのか、なぜチューバッカと2人で行動することになったのか。

その根底にあるのは「誰も信用するな」という言葉。

銀河帝国が支配する暗い世界で、自由を勝ち取り生き抜くため、あらゆる手を尽くして戦い生きているキャラクターたち。

裏切り裏切られ、味方が敵になり敵が味方になる。

一人ひとりが必死で自由を掴み、生き抜くために「誰も信用しない」、自分だけでも生きていかなければならないという時代が映画の空気を作り出しています。

この空気の中で生き抜いたハンを見ることで、後の反乱同盟軍の戦いがより深い視点で見られるようになります。

同時に、エピソード7までのハンを知っている私たちは、今作で見せられる若き日のハンより重層的に受け止められます。

敵でも味方でもない魅力的なキャラクターたち

銀河帝国の支配という背景の中で、帝国軍でも反乱同盟軍でもない、アウトローたちの生き様を描く物語。

それぞれが生き抜くために行動する彼らに明確なヒーローやヴィランはいません。

この作品の敵味方とはハン・ソロの味方か敵かという小さな視点でしかありませんし、その小さな視点すら劇中でダイナミックに入れ替わっていきます。

明確なヴィランがいない作品の中で、時代が違えばみんな仲間として生きていられたのかもしれない。

そう思うような魅力的なキャラクターばかりです。

 

スター・ウォーズシリーズの難しい世界観を知らなくても楽しめるし、スター・ウォーズを知っていればより深く楽しめる。

『最後のジェダイ』と違ってすっきりとスター・ウォーズの世界を楽しめる、誰にでも勧められる一作です。

『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』
2018年6月29日(金)日本公開

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