長嶋一茂といっしょに登場した巨匠の野球マンガが相撲化した理由

『虹を呼ぶ男』水島 新司

■ここが超展開!
長嶋一茂のライバルの野球マンガ→長嶋一茂がイマイチ→じゃあ相撲マンガに

『ドカベン』で有名な水島新司の作品。当時低迷していたヤクルトスワローズに、七夕竹之丞という豪快な男が、3億円という桁外れの年俸で契約(ただし契約金は100円)。背番号10000を背負い、豪快なプレーで投打に活躍、ヤクルトの救世主となる──という流れのはずでした。

 

『虹を呼ぶ男』 コミックス2巻の表紙では、まっとうな野球マンガです。それ以外の要素は微塵も感じられません。

この作品は、当時、鳴り物入りでヤクルトと契約した長嶋一茂人気にあやかろうとしたことは明らかで、チーム内のライバルとして作品にも登場。ところが肝心の長嶋一茂が、話題にはなったものの実際のプロ野球で今ひとつの成果。

 

『虹を呼ぶ男』  コミックス3巻は異例の吹き出し入り。長嶋一茂が出演して何か言い合っていますが、「オレはおやじの七光よ」というセリフが、うっかり出てしまった作者のグチに聞こえかねません。

そのリアルの低迷っぷりに作者が萎えたのか、オフシーズン限定で七夕竹之丞はなぜか相撲に挑戦。そのまま成績優秀で角界入りし、気が付いたら相撲編になっているという超展開。

 

『虹を呼ぶ男』  コミックス10巻の表紙です。まごう事なき相撲マンガです。七夕の体型含めて、野球の要素は微塵も感じられません。

最終的に、蒔いたフラグも回収しないまま打ち切り気味に終了となりました。そういえばドカベンもそもそもは柔道マンガだったわけで、水島作品の超展開はこれに始まったことでもないですね。