――ねずみっぽい仕草やセリフなど入れようとは思わなかったんでしょうか?

きだ:あまり思わなかったですね。

衣装を見た時に、これでキャラクター感はバッチリ出ていると思ったので、“正義感が強い”とか、“のんびりやさん”とか、性格的なものを掘り下げることに重きをおきました。

動物的な演技を増やすと、かえってチープな芝居になるかもと無意識に感じたのかも知れません。

――きださんは今までも「仮面ライダー」の他に「プー」シリーズや「テングメン」など、ご自身の作品で独自のヒーロー作品を生み出していますが、ヒーローを創りあげる上で意識していることはありますか?

きだ:ヒーローものに関わることが多いのでよく聞かれるんですが、まったく何も考えてません(笑)。先日もたまたま同じようことを聞かれたので、同じように答えたら、「きださんって感覚でやってるんですね」って言われて、その言葉に逆にハッとなりました。おそらく、もう染みついてるんでしょうね、ヒーローもののノリや文法が。

だからこうしたいとか思わなくても頭と体が勝手に動いちゃう(笑)。

どの仕事もそうなんですけど、別のジャンルにヒーローものの文法を持ち込むとすごく新鮮みたいで喜んでもらえる。

今回もピューロランドさんの雰囲気にヒーローものの文法を持ち込んでいるところはあるので、それが新しいおもしろさにつながっているのかも知れません。

だから逆に、「仮面ライダー」に関わる時にヒーローものの文法を持ち込むと、「それは今までやってますから違うことをお願いします」と言われたりして、不思議な感じがすることがあります。

今回の『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』というタイトルは、脚色しているうちに「英雄=ヒーロー」というキーワードが見えてきて、「これはヒーローの話なんだ」と改めて気づいてつけました。

――今回のステージも、すごくヒーローショーっぽかったです。

きだ:かも知れません(笑)。

コンセプトを聞いた時、ピューロランドさんの世界観の中ではあるけど、なにか違うことしたほうがいいんと思ったんです。

だからわざと男の子テイストを濃くして、ケンカするとかぶつかり合う感じを入れて、少しワイルドな雰囲気にしてみたり。

そうやっても、衣装やステージの雰囲気でピューロランドの世界観にきっちり溶け込めるという算段があったので。いつもと同じに見えて少し違う、でもやっぱりいつもと同じ。

このバランスが、ピューロランドの世界観を壊すことなく新たなジャンルとして受け入れられている理由だと思います。

――ありがとうございました!

8月からはもうひとつの“Team Smile”もキャストに加わり、さらに楽しみが増えた本作。

現在のキャストは9月末までを予定。

内容はハラハラドキドキ、「本当の英雄」の意味を考えさせられる、胸が熱くなるエンターテイメント! 

今までとはひと味違うピューロランドのステージは、大人の女性や男性まで絶対に楽しめますよ!※10月21日発売でDVD化も決定!