彼の名コピーは数あれど一番好きなのは黒糖焼酎の
「顔は鬼瓦 心は小梅」というやつ。
しあわせなほろ酔い気分で店をあとにしようとしたら、最後くだんの作業着のおっちゃんに声をかけられた。
「あのぅ飲みっぷりで思い出したんですが、いつぞやかゴールデン街でご一緒しましたよね…」
おそるべきことに、おっちゃんは私のなまえまで覚えていた。
地球はつながっている。酒と酒でつながっている。おそるべし…。
でも…ならなぜ避けた? とは最後まで聞けなかった。
“飲みっぷり”で記憶されたことにへんてこりんなハニカミ笑いがこみ上げた。



<今夜のお会計>
生ビール 380円
小ビール 280円
まえわり 280円
ばばあの梅酒 380円
ピーマン 50円
鶏み 100円
砂ぎも 100円
鶏ハラミ 150円
冷トマト 280円
もずく 180円
今宵のお会計 2180円
(ばばあの魔力が2時間以上の滞在にてちょい予算オーバーなり)

【店舗情報】
鎌倉酒店
東京都中野区中野2-30-14
16時~23時(日曜15時~22時)、無休。

文筆業。大阪府出身。日本大学芸術学部卒。趣味は町歩きと横丁さんぽ、全国の妖怪めぐり。著書に、エッセイ集「にんげんラブラブ交差点」、「愛される酔っぱらいになるための99の方法〜読みキャベ」(交通新聞社)、「東京★千円で酔える店」(メディアファクトリー)など。「散歩の達人」、「旅の手帖」、「東京人」で執筆。共同通信社連載「つぶやき酒場deep」を連載。