肌を露出する機会が多い夏も終わって、これからは食べ物のおいしいシーズン。ついつい食べすぎてしまい、あわてて「ダイエットをしなきゃ!」と考える女性も増えてくることだろう。

女性のダイエットと言えば、食事制限、またはジョギングなどの有酸素運動がメジャーで、なかなか筋トレでダイエットをするという発想は浮かびにくいもの。筋肉ムキムキになっても困るから、筋トレはそんなにカロリー消費しないって聞いたから――はたして、その知識は正しいのだろうか? 今回は最新の動向も踏まえながら、“筋トレダイエット”の効能について調べてみた。

引き締まった男性好みのボディになれる

「あまり筋肉が付きすぎても困るから」「筋トレしてみたらすぐ太ももがパンパンに膨れちゃってダメだと思った」……筆者は女性からリアルにそんな言葉を聞いたことがあるし、ネットにも同じような不安の声が見られる。しかし、そこに先入観や誤解が混ざっていないだろうか。

筋肉をがっしり付けるのは、主にテストステロンと呼ばれる男性ホルモンの働きだが、女性はその分泌量が男性の1/10以下となっている。レスリング選手の吉田沙保里さん、“筋肉アイドル”として知られる才木玲佳さんのように特別なトレーニングを積めば別だが、一般の女性ではあそこまで筋肉を付けられない。

また、筋トレ直後に腕や太ももがパンパンに張って大きく見えるのは「パンプアップ」という一時的な現象。男女に関係なく数時間すれば元通りのサイズに戻るので、スタイルに影響する心配はない。

むしろスクワットやプランクなどの適度なトレーニングで鍛えられた女性は、ヒップがきゅっと上がり、腹筋が引き締められた理想の体型になれる。お腹にうっすら筋肉の縦線が入った女性を、最近は“アブクラックス女子”と呼ぶそうで、男性からの注目度もアップしているようだ。

筋肉を1キロ増やすと年間2.5キロの減量効果!

筋肉は同じ体積の脂肪より重いことから、筋トレ=体重が増えると心配している女性も多いだろう。しかし逆に「やせたいなら、まず筋肉を増やすべき」と専門家は唱える。

『筋トレと栄養の科学』(新星出版社)によれば、筋肉を1キログラム増やすことで、1日あたりの消費エネルギーが最大50キロカロリー増えるという。これを1年間に換算すると、なんと脂肪2.5キログラムに相当する。女性がすぐ筋肉を1キロ増量できるわけではないが、仮にたった400グラムの筋肉量を増やしたとしても、年間1キログラムの脂肪をカットできる計算になる。

筋トレはスタイルを良くするだけではなく、脂肪を燃焼させることで体重を減らすことにも役立ってくれるのだ。