©2016 うかみ/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/ガヴリールドロップアウト製作委員会

数多くのアニメ作品を盛り上げてきた「アニソン」について語る『住吉STRANGERの偏愛アニソン道』。第3回は2017年1月から放送を開始したTVアニメ『ガヴリールドロップアウト』のエンディング曲『ハレルヤ☆エッサイム』です。

作曲を手掛けた山崎真吾さんは、打ち込み系の音を中心にしつつ、メロディや構成に工夫を凝らした楽曲を作ることで、昨今、アニソンファンから注目を集めるコンポーザーで。『GJ部』ではテクノポップな大名曲『Purely Sky ~私だけの空~』を世に送り出したほか、一度耳にしたら最後、その電波チックなダンスサウンドが耳から離れなくなる『KUMAMIKO DANCING』(『くまみこ』ED曲)。

大胆にも打ち込みサンドにアイリッシュトラッドミュージックの要素を取り入れた『精霊剣舞祭(ブレイドダンス)』(『精霊使いの剣舞』ED曲)など、インパクト抜群の楽曲を生み出しています。

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 そして、作詞を手掛けたのはロックバンド「the ARROWS」のヴォーカリストで、声優やアニソン、特撮ソングへの楽曲提供も行っている坂井竜二さん。

実は、前述の『KUMAMIKO DANCING』や『精霊剣舞祭(ブレイドダンス)』も、このタッグによって生み出された楽曲なのです。

とてもおもしろいアニソンを作り出す山崎さんと坂井さんの名コンビによる新曲ということで、『ハレルヤ☆エッサイム』もアニメの放映開始前から、個人的にとても楽しみにしていたのですが、その期待を決して裏切らない、とても興味深い一曲に仕上がっています。

メリハリの効いた楽曲構成の魅力を偏愛したい!

この曲のヴォーカルは、『ガヴリールドロップキック』と同じく、アニメで主要キャラクターを演じている4人の女性声優(富田美憂さん、大西沙織さん、大空直美さん、花澤香菜さん)がキャラクター名義で担当されています。

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何といっても、キャラの濃い登場人物たちが繰り広げるスラップスティックな笑いが魅力の作品ですので、主題歌に関しても、キャラクター性が強調された歌詞を用いた「キャラソン」の形式が取られています。

各キャラクターによる掛け合いを上手く歌詞にした坂井さんの手腕が光ると共に、声優さんの可愛らしい声が引き立つ、パワー抜群の歌が魅力のこの曲。

こうなると、どうしても歌に比べて曲の印象が弱くなってしまいそうなものですが、『ハレルヤ☆エッサイム』は、緩急の効いた構成で、その個性を強く主張することに成功しています。

賛美歌を思わせる荘厳なイントロに始まり、一転してソリッドで、ちょっとメタリックなニュアンスも感じられるシンセサウンドを用いたサビへ。直後に、一気に音数が減り、カウベルの音色を思わせるリズム音が特徴のAメロがスタート。そこから、ハードなサウンドへと展開し、かと思いきや、再び、荘厳なメロディへの転換を経て、メインのサビへと突入する……という具合に、とにかく各パート毎のメリハリが強烈なのです。

この辺りの楽曲展開のケレン味は、美しいメロディを作りつつも、一方で自由奔放な発想で個性派アニソンを作り続ける山崎さんの作曲家としての作家性がよく出ています。

90秒のテレビサイズでも、これだけ聴かせてくれる『ハレルヤ☆エッサイム』のCDは、2月22日(水)にリリース予定。

都内在住の極々平凡なサラリーマン兼、アニメ、音楽、プロレス、映画…と好きなものをフリーダムに、かつ必要以上に熱っぽく語るBLOG「さよならストレンジャー・ザン・パラダイス」管理人。永遠の"俺の嫁"である「にゃんこい!」の住吉加奈子さんと共に、今日も楽しいこと、熱くなれることを求めて西へ東へ。