SMAPは生きている。

2016年12月31日、SMAPは解散した。約一年もの時間をかけてもたらされたその幕切れを、いまだに呑み込めない人も数多くいるだろう。

彼らが5人揃って歌い踊る姿が見たい。コンサートで生の彼らに逢いたい。SMAPの新曲が聴きたい。新しい『SMAP×SMAP』が観たい。そうした渇望をどうすることもできないでいるとも聞く。

だが残念ながら、『SMAP×SMAP』は終了したし、SMAPが新しい楽曲をリリースしたり、音楽番組に出たり、ツアーをおこなうということは、現段階ではまったく望めない。

もちろん、それは悲しく、さみしいことではある。だが、SMAPは消えたわけではない。

それは、今後、再結成するかもしれないという淡い期待にすがるということではない。

SMAPは解散したが、存在としてのSMAPはいまも生きている。

SMAPはオリジナリティあふれるグループだった。誰にも真似の出来ないことを行っていた。それはたとえば、CDが何枚売れたとか、ツアーに何人動員したとか、そうした数値に置き換えて証明できることではない。あるいは、多くの人に愛された国民的なアイドルだったというような、紋切型の賛辞で片付けられるようなことでもない。

逆に言えば、そうした賛辞や数字とはまったく別の次元で、SMAPという現象は起きていた。そして、その現象は、いまも生きている。さらに言えば、SMAPが解散したからこそ、SMAPのオリジナリティが初めて検証できるかもしれない。

SMAPの現時点での最新作はDVD/Blu-rayとしてリリースされた『Clip! Smap! コンプリートシングルス』である。

その前の週に発売された『SMAP 25 YEARS』は、ファン投票で選ばれた50曲を収録したベストアルバムだったから、純然たるSMAP作品とは言い切れない。リリース日も含めて『Clip! Smap!』こそが、最新のSMAP作品となる。

サブタイトルにも示されているように、これはSMAPがシングルとしてリリースした(両A面含む。配信曲は除く)すべてのシングルにまつわる映像を、発表順に収録したものである。

素っ気ないと言えば非常に素っ気ない構成である。だが、彼らのキャリアを振り返る上で、どんな曲が、どのような流れの中で、歌われてきたのかが、映像を通して淡々と伝わる潔い構成となっている。

素っ気なさと、潔さ。これもまたSMAPの特色であり美徳のひとつであった。

彼らには押しつけがましさがなかった。本作のパッケージにもあらわれているように、ときにスタリッシュで、ときにポップでありながらも、「カッコイイでしょ?」と自慢するような素振りもなければ、聴衆に擦り寄ってくる媚びのようなものも感じられなかった。

暑苦しさがないのだ。

ただ、時系列に従って、出された楽曲を、出された順番に、計63曲をただ収めただけの『Clip! Smap!』の肌触りはきわめてSMAP的であり、わたしたちが誇りに思える最新作である。

1991年9月9日にリリースされた「Can’t Stop -LOVING-」から、2015年9月9日にリリースされた「Otherside/愛が止まるまでは」まで。発売日の月日がまるで誕生日のように合致していること。そして、<愛することは止められない>というデビュー曲のタイトルと、<愛が止まるまでは>という最新曲のタイトルが符号している、静かで控えめなコンセプトも、実にSMAPらしい。

こうしたすがすがしさにも、SMAPにしか醸し出せないオリジナリティがあった。

すべての楽曲にプロモーションビデオが制作されていたわけではない。だから、ここには、当時のツアーや、2014年から2015年にかけて行われた最新のツアーからのライブ映像も収録されている。23年前の曲を歌う彼らの2015年の映像が、1992年の彼らのPVのあとに、ひょいと紛れ込んでくる。そんないい意味での図々しさ、飄々とした風情もまたSMAP的であろう。

SMAPのPVにはストーリー仕立てのものがほとんどない。街を周遊したり、銀座を歩いたり、屋形船で戯れたりという趣向を凝らしたものはあるものの、そのほとんどは、歌って踊るという純然たるパフォーマンスによって構成されている。

そうした映像楽曲群の中で、とりわけ注目すべき4曲がある。この4曲は、彼らのキャリアの中期(3枚組のDVDではちょうどDisc-2)に集中している。

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