左から、阿部サダヲ、古田新太 左から、阿部サダヲ、古田新太

東京公演を経て、2年ぶりの大阪公演となる劇団☆新感線の舞台が4月14日に開幕。月影花之丞が率いる劇団の稽古場を舞台に、さまざまな劇団員の思惑が交錯する中、本番初日へ激しい稽古が繰り広げられるというバックステージものだ。『花の紅天狗』から18年、木野花が強烈キャラを見せつけた月影先生が復活。古田新太曰く、「前回をものすごく濃縮した、歌あり踊りありのおポンチもの」で、今回はアクションシーンも登場する。「すごく貫禄があってキャリアを積んでると思われている劇団の新人」を演じる古田と、「保険の外交員で契約を取りたくて劇団に入り、だんだん芝居が楽しくなっていく」という役柄の阿部サダヲが来阪。開幕直前に、笑い満載の東京公演の感想と大阪公演への意気込みを語った。

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「本役は劇団員ですけど、7割が劇中劇」(古田)なので、さまざまな作品の役を演じることになり「楽屋には帰れないぐらい」(阿部)。ミュージカルなど新旧取り混ぜた多くの作品のオマージュが詰め込まれ「何の作品だかよくわからなくなってる状態(笑)、全部のオマージュがわかる人はいないと思う」(古田)。古い新感線ファンには「あ~、そのセリフ言っちゃうんだ、みたいな。東京では拍手喝采だった」(古田)というシーンも。出演者が11人だけの今回は、新感線メンバーもいつも以上に活躍する。「なにも考えなくても観られるおもしろさなので、ずっと待ってた新感線ファンの方は喜べると思う。本当におもしろいですよ」とうれしそうな阿部。おもしろネタは日々増し「リピーターの方が、こんなに変わってるなんてズルい、もう1回観とこうって(笑)」(古田)と、何度観ても楽しめる舞台に。なかでも特筆すべきは木野花。初共演の阿部は「ビックリしました。同じ人かなって思うぐらい、毎日違う(笑)。あそこまで突っ走れるなんて尊敬します。それに古田さんが対応してくれて、すっごく楽しい」。

ネタものの怖さは演じる側が笑いに慣れてしまうことだが、「木野先輩のおかげで新鮮な気持ちを失わずにやれてます(笑)」(古田)。また今回はペンライトを振って応援する参加が可能だ。「東京では徐々にペンライトの数が増えて、千穐楽では一体感があって感動的でした。大阪でもぜひそれを味わいたいと思います」(阿部)。コロナ対策を万全に練り、大阪公演へ。「おいらたちはお客さんのマスクの下の顔は、にぃ~ってしてると思ってやっています。きっと元気になれる作品だと思うので、皆さんも勇気を持って、にぃ~ってしに来ていただきたいです。お楽しみに!」(古田)。

公演は4月14日(水)から5月10日(月)まで、大阪・オリックス劇場にて。チケット発売中。

取材・文:高橋晴代