マルコス・ジュニオール(横浜F・マリノス) (C)J.LEAGUE

横浜ダービーでそれぞれの思惑がぶつかり合う。『明治安田生命J1リーグ』第11節で横浜FMと横浜FCが激突。開幕戦以外はリーグ8試合負けなし、『JリーグYBCルヴァンカップ』を含め公式戦11戦黒星なしとコンスタントに力を発揮する横浜FMとしてはここはきっちり勝点3を積み重ねたいところ。

一方、2分8敗と未だ白星が遠く、最下位に沈む横浜FCとしてはダービーマッチを浮上のキッカケにしなければならない。下平隆宏監督解任も荒治療とならず、早川知伸新監督のもと迎えた第9節・サガン鳥栖戦は0-3、未勝利対決となった前節のベガルタ仙台戦では2-0とリードするも残り10分で追い付かれて勝点3がこぼれ落ちた。先発総入れ替えで臨んだ4月21日『ルヴァンカップ』第3節・浦和レッズ戦では14分にCFクレーベのヘッドで先制するがその後の立て続けのチャンスをモノにできずに結局1-2の逆転負けを喫した。それでも早川監督は「選手たちは最後までよくがんばってくれた。チャンスもあったし、相手の隙もしっかり突きいい形で先制できた。最後のところのクオリティの差は少し感じる。一つひとつのプレーの質をまだまだ底上げしていかなければいけない」と前を向いた。守備面でも仙台戦でCB伊野波雅彦が、浦和戦では新加入のCB高橋秀人が戦線復帰したのは明るいニュースだろう。

横浜FMからすれば、横浜FCの最終ラインに誰が入ろうが関係ない。ただ圧倒するのみだ。4月21日の『ルヴァンカップ』清水エスパルス戦はスコアレスドローと終わったが、アンジェ・ポステコグルー監督は「重要なことは今季通してパフォーマンスが継続できていること。今季初めて出場した選手がいた中でしっかりとした内容のサッカーをしてくれた。カップ戦だろうが、リーグ戦だろうが、自分たちのサッカーを表現すること、そしてそれを続けていくことが大切。昨年と違って今季はコンスタントにいいレベルで戦えている」と確かな手応えを口にした。

リーグ戦での通算成績を見ると、試合数こそ少ないが2勝2敗と全くの五分。昨季も1勝1敗。最終節で横浜FMは横浜FCの倍以上のシュートを放つも1-3と屈したのも記憶に新しいことだろう。結果はイーブンだが、内容は異なる。得点数を比べると横浜FMの13点に対し横浜FCは5点。昨季第6節は4-0と横浜FMが圧勝し、2007年8月には横浜FMが8-1と記録的大勝を収めた。また『天皇杯』では3度3回戦で対峙し、3試合とも横浜FMが2-1で勝ち上がっている。

果たして横浜ダービーは順当な結果か、まさかの結末か。『明治安田J1』第11節・横浜FM×横浜FCは4月24日(土)・日産スタジアムにてキックオフ。神奈川県の「まん延防止等重点措置」適用に伴い、新規チケット販売は終了。年間チケット自由席会員の座席選択、有償譲渡である公式リセールサービスは継続。試合の模様はDAZN、NHK BS1にて生中継。