<フルコスチューム'16宙組ver.> 撮影:Studio Elenish

1992年のウィーン初演以来、世界各国で上演が続けられているミュージカル『エリザベート』。日本では小池修一郎の潤色・演出により1996年に宝塚歌劇で初演、各組でこれまでに10バージョンが上演され、宝塚歌劇の代表作のひとつとして上演のたびに注目を集めてきた。そして日本初演から25周年となる今年、宝塚歌劇版の歴代キャストが集結し、『エリザベート TAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート』が開催されている。大阪公演を経て、現在は東京・東急シアターオーブにて5月5日(水)まで上演中。オンラインでのライブ配信も行われている。

【動画配信】エリザベートTAKARAZUKA25周年スペシャル・ガラ・コンサート チケット情報

メインキャストが役をイメージした衣裳をまとい、コンサート形式で本編を上演する「アニヴァーサリーバージョン」では、歴代出演者が共演する“25周年バージョン”、上演当時のメンバーを中心にお届けする“花・月・雪・星・宙組バージョン”、夢の競演が叶う“スペシャルバージョン”の3パターンでお届け。さらに、出演者全員が各役の扮装をし、コンサート形式で本編を上演する「フルコスチュームバージョン」といった、さまざまな組み合わせで楽しめるのが今回の見どころのひとつだ。大阪公演では、トート役・朝夏まなと、エリザベート役・実咲凛音を中心とした「フルコスチューム’16宙組ver.」と、トート役・明日海りお、エリザベート役・蘭乃はなを中心とした「フルコスチューム’14花組ver.」がライブ配信された。

19世紀末に実在したオーストリー=ハンガリー帝国皇后エリザベートの生涯を、黄泉の帝王トート(死)との愛憎を軸に描いた本作。舞台美術や装置はシンプルで、ステージ上にオーケストラを配置。最初に衣裳をまとった暗殺者ルイジ・ルキーニが登場するやいなや、客席は一気に『エリザベート』の世界へといざなわれる。コンサートといえど、ストーリーに沿って役を演じながらシーンが展開するため、ミュージカルの凝縮版として楽しめる。本公演で改めて感じたのは、楽曲の素晴らしさだ。美しい旋律で彩られたナンバーは、どの曲も耳に残るものばかりで、胸に心地よく響く。

妖しいオーラを放ち、冷たく、それでいて情熱的にエリザベートへの愛を表現する朝夏トート、美しくも冷酷な表情や視線にゾクッとさせられる明日海トートをはじめ、『エリザベート』の世界を体現する役者たちは、宝塚を卒業後もそれぞれに研鑽を積んできているだけに、より表現に深みが増している。それぞれのパフォーマンスの違いを楽しむことができ、細かな表情や衣裳の細部など、劇場では気付かなかった部分まで堪能できるのはライブ配信ならではだ。

東京公演では、4月24日(土)の「フルコスチューム’14花組ver.」、5月1日(土)の「フルコスチューム’16宙組ver.」、5月3日(月・祝)の「アニヴァーサリースペシャルver.」、5月5日(水・祝)「アニヴァーサリースペシャルver.」をライブ配信。

ライブ配信のチケットは発売中。