撮影:源賀津己

4人組ダンスパフォーマンスグループ・s**t kingz(以下:シッキン)メンバーのうち、kazukiとNOPPOがコントライブ『お前、だれ!?』に初挑戦する。開幕をちょうど1ヵ月後に控える二人と、脚本の岩崎う大(かもめんたる)、監修を手がけるフジテレビディレクター・竹内誠に話を聞いた。

シッキンの中でも幼なじみの凸凹コンビとしてファンに愛されるkazukiとNOPPO。本企画は「生まれ変わったら芸人になりたい」と明言するほどお笑い好きのkazukiによる発案で、NOPPOも「これまでシッキンがやってきた、ダンスの敷居を下げて皆さんに楽しんでもらうことの延長線上に思えたから」と二つ返事で承諾したという。

二人の挑戦を見届けるのは、舞台の演出に初めて臨む竹内。2019年の『FNS27時間テレビ』の目玉企画であった「ダンスができない7ティーチャーズ」でシッキンと出会った竹内は、学習指導要領にダンスが加わって戸惑う教師に向き合う二人のコーチぶりから「kazukiさんは心配性で裏方(スタッフ)気質、NOPPOさんは掴みどころのない大らかさで現場を楽しむ憑依型のパフォーマー」という特性を見出す。

脚本に起用された岩崎も、見た目と性格が正反対の二人からインスピレーションを得てどんどん筆が進んだ。kazukiの「僕たちのいろんな姿が見せられるシチュエーションがいい」というリクエストに着想を得て、やがて無人島を舞台に記憶喪失の二人が繰り広げるドタバタコメディに結実させる。

セリフを発し、ダンスと融合させることに悪戦苦闘するkazuki・NOPPOを前に、岩崎は「僕のコントって演じるの難しいですよね?」と問いかける。それは本コントライブの前に控える、劇団かもめんたる公演『ソルティーなんとかメモリー』(6/26〜7/4@東京・下北沢駅前劇場)より前の過去作にも当てはまるそうだ。

岸田國士戯曲賞に2年連続でノミネートされるも、受賞を逃す理由を「ストーリー性重視のうえ、上演作品を観ず戯曲のみで判断する審査員にコメディであることが伝わっていない気がした」と自己分析する岩崎。これを聞いたkazukiとNOPPOは「だから字面だけ追って漫然とセリフを言っても一発で決まらないのか!」「う大さんの目指す笑いを実現するには、文章で表せない言い方やニュアンスが大事なんですね」と合点がいった様子を見せた。

ダンスに加えて、セリフ芝居を武器にコントを楽しむ二人の新たな局面を見届けよう。公演は7月15日(木)〜18日(日)、東京・CBGKシブゲキ!!にて。千秋楽生配信あり。

取材・文:岡山朋代