金星獲得の勢いそのままに本大会へ突入する。バスケットボール日本代表は『東京五輪』前最後の国際強化試合となる7月18日『SoftBankカップ2021』でフランスを撃破。FIBAランキング42位の日本が7位の強豪を相手に81-75で逃げ切ったのだ。
NBAプレイヤーを5人擁するフランスにも同じフィールドで戦う八村塁、渡邊雄太は怯まず。ティップオフから果敢に攻め込み八村9得点、渡邊7得点など第1クォーターを18-14とリード。第2QにはふたりのNBA勢に続き、ギャビン・エドワーズと比江島慎が7得点をマーク。チーム全体でもターンオーバー0と高い集中力を保ち、前半を46-30で終える。
第3Qはフランスの反撃に食らう。八村が徹底マークを遭い、エドワーズも負傷し、インサイドで後手を踏む。結果61-58と点差を詰められた。最終第4Q早々に比江島がタフな3ポイントを決めて64-58とすると、残り8分25秒に再び比江島がファウルを受けながらも3Pに成功。ボーナススローもきっちり決めて70-58と流れを引き戻した。それでも残り3分46秒にはフランスの3連続3Pでついに74-74と追い付かれ、八村もシュートに失敗……。相手ボールになるも馬場雄大がスティール、さらにダンクをズバリ。その後互いにシュートを外す中、残り1分24秒で馬場がフリースローを2本決めて勝負あり。
試合後、フリオ・ラマスヘッドコーチは「完璧な内容でプレーしたと思う。40分間通してディフェンスやリバウンドで集中力が研ぎ澄まされていた。ターンオーバーも少なく、各シーンで主役が現れるなど流れもよかった。雄太と塁以外もギャビンや(田中)大貴、マコ(比江島慎)、(張本)天傑もすごくいいプレーをした」と評価した。
5年前とは違う。八村のチーム最多19得点に次ぐ18点をマークした渡邊と、15点の比江島は5年前の『リオ五輪』世界最終予選前に74-91とフランスに大敗した当時を振り返りながら、手応えを口にした。
渡邊「正直フランスのコンディション不良もあったが、しっかり戦えた。自信にしていいと思う。でもできない部分もあるので調子に乗ってはいけない部分もある。あの時(5年前)は勝てるビジョンが見えなかったが、この5年間で日本のバスケが変わってきていると感じた」
比江島「前回は遊ばれた記憶しかない。今日は自分たちのやりたいバスケを出すことができた。個人としても余裕をもってやれた。僕はすごいうれしかったけど、みんなは勝って当たりみたいな感じで冷静だった」
日本代表は『第32回オリンピック競技大会(2020/東京)』で7月26日(月)・スペイン戦、29日(木)・スロベニア戦、8月1日(日)・アルゼンチン戦に臨む。バスケ男子日本が新たな歴史の扉を開ける。