ALL CONNECT(オールコネクト)は、7月5日の1日間、週3日程度リモートワークをする全国の20代~50代の男女300人を対象に「リモートハラスメント(リモハラ)」をテーマにした調査を実施した。その結果、部下にリモハラだと思われないように気をつけていることや最も嫌だと感じたリモハラなどが明らかになった。
終わりの見えないウィズコロナ時代が到来し、程度の差こそあれ、リモートワークは定着しつつある。通勤時間がない分、効率的に仕事ができると感じる一方で、社内のコミュニケーションについて悩む人も増えていると思われる。そこで、上司に対し、リモートワークで部下とのコミュニケーションで悩んでいることを聞いたところ、最も多い回答は「部下への指示出しのタイミング」48.7%となり、次いで「部下との距離感」48.0%となった。放任でもなく干渉しすぎでもない、絶妙なコミュニケーションの取り方を模索している上司が多いのかもしれない。
そして、コロナ禍でリモートワークが急速に広がったことで、現在、社会問題になりつつあるのが「リモハラ」。リモートワーク時に起こるパワハラやセクハラなどのことで、今注目されているハラスメントのひとつといえる。そこで、オンライン会議での<容姿・服装>、<自宅>、リモートワークでの<業務管理>に関する上司の言動について、リモハラだと思うかを聞くと、リモハラだと思う上司の言動は、「カメラを常時接続させる」と「部屋全体を映すよう求める」が上司・部下ともに8割以上という結果となった。
カメラの常時接続については、部下、そして部下の監督者である上司も多くの人が業務上、必要ないと感じているようだ。企業側には、業務上の必要性を基準に、社員が納得できるリモートワークのルールづくりが今後求められる。また、部屋全体を映すよう求めることについては、リモハラとされる項目のなかでも、よりプライベートに踏み込んだ許されない言動であることを上司・部下ともに多くの人が認識していることがわかった。
続いて、上司に対し、部下にリモハラだと思われないように<容姿・服装>、<自宅>、<業務管理>に関して気をつけていることを聞いた。最も多い回答は「体型を話題にしないようにする」52.7%、次いで、「髪型やメイクを話題にしないようにする」「部屋全体を映すことを求めないようにする」51.3%が同率の結果となった。容姿や自宅のことについてなど、業務外に関する言動に対して、とくに気をつけていることが明らかになった。
さらに上司に対し、リモハラ加害者とならないための具体的な対策方法を自由回答方式で聞いた。セミナーを受けて専門家の意見を聞いたり、部下に相談相手をつける体制づくりを行ったりと、リモハラを未然に防ぐ行動をとっている人もいるようだ。また、「思いつかない」・「わからない」という声も挙がる結果となった。
リモハラ対策として何をすればよいかわからず、悩んだことがあるかについても聞いた。「悩んでいる」という回答を見ると、部下は10.0%、上司が40.7%と30ポイント以上差が出る結果となり、部下より上司のほうがリモハラ対策について悩んでいることがわかった。リモハラ加害者とならないように、<容姿・服装>や<自宅>、<業務管理>などに関しての言動に気をつけてはいるものの、自分が行っているリモハラ対策が正しいかどうかがわからず、悩んでいる上司もいるかもしれない。
部下に対し、今までに<容姿・服装>、<自宅>、<業務管理>に関してされたリモハラで、最も嫌だと感じた内容を自由回答方式で聞いた。<容姿・服装>については、体型やメイク、普段着への言及などの声が挙がった。<自宅>については、家の外にいる鳥の鳴き声への指摘や自宅の階数を聞かれるなど、リモートならではの嫌がらせもあることがわかった。<業務管理>については、いちいちチャット上で挨拶することや電話に出ないとチャットで状況を確認してくるなど、過干渉となるような内容も挙がった。
部下に対し、上司からリモハラを受けないように気をつけているかを聞いたところ、約6割が「気を付けていない」と回答した。
部下に対し、リモハラを受けないようにどのような対策をしているかを自由回答方式で聞くと、「なるべくカメラに映る背景を壁にして、部屋の家具が映らないようにしている」や「通勤時と同じような服装、メイクで身だしなみを整える」など、部下が先回りで行っているリモハラ対策が回答された。社内のリモハラを未然に防ぐには、上司と部下がお互いに配慮し合うことが一番大切なのかもしれない。