東京ディズニーリゾートでは、2021年7月8日から「地球にやさしく、人にやさしいグッズ」をテーマにした「LET'S START WHERE WE CAN!」シリーズが登場しました。
実はこのシリーズ、オーガニックコットンやリサイクル素材といった、環境にやさしい原材料を使用しているのです。
今回は「LET'S START WHERE WE CAN!」シリーズの開発を担当した、オリエンタルランドの商品本部・商品開発部の担当者の方にインタビューを行いました。
デザインのこだわりから、ゲストの反応まで、たっぷりお聞きしましたよ。
最近「SDGs」という言葉をよく聞くけど…
──2030年までに達成すべき目標として、国際連合を中心に「SDGs(持続可能な開発目標)」を取り決めています。最近では、日本でも取り組む企業が増えていますが、今回の商品開発でも意識したのでしょうか。
今回の商品開発では、SDGsやESD(持続可能な開発のための教育)などはあまり意識していません。
あくまでも、商品の環境負荷を軽減することを重視しました。
東京ディズニーリゾートのグッズは、1年スパンで開発を進めるのですが、今回の商品は2019年に企画がスタートしました。
今後の商品開発について議論を行ったときに、メンバーから「エコなものに取り組みたい」という声が上がり、ベテラン・若手の4人が中心となって開発に着手したのです。
その後、新型コロナウイルスの感染拡大などもあって、2021年7月8日に販売を開始しました。
──今回の商品では、オーガニックコットンが使われていますが、原材料にはどのようにこだわっているのでしょうか。
ほかの商品と同様に、ディズニー社の国際労働基準プログラム(ILSプログラム)を遵守しながら原材料を調達しています。
また、その原材料がどこから来ているのか、「トレーサビリティ」を明確にするようにしています。
今回の商品で使われているオーガニックコットンは、主にインドやトルコから調達しています。
ポーチなどに使われているリサイクル素材についても、トレーサビリティを徹底しています。
──東京ディズニーリゾートのグッズを見ていると、最近は環境に配慮したパッケージになっているものを見つけます。今回の商品開発でも、そういったことは意識したのでしょうか。
まだ全社的な取り組みというわけではないのですが、今回の商品開発でもタオルをプラスチック包装ではなく、布製のきんちゃくに入れるなど、環境負荷の軽減を意識しました。
ぜひ、ほかの商品にもつなげていきたいと考えています。
どうして、ミッキーマウスを起用したの?
──今回の商品では「普段使いできる」「老若男女問わず使える」「長く使える」という3つの特徴があると感じました。開発にあたって、これまでのグッズと差別化した点はあるのでしょうか。
今回の商品開発では「できることから始めよう」というポイントを意識しています。
ゲストの皆様が日常生活の中でも使えるもの、そしてシンプルなデザインということで、これまでのグッズとは差別化を図りました。
これまでの商品とは色彩もかなり異なりますので、ショップでも目立っているようです。
東京ディズニーリゾートのロゴマークも、「O(オー)」の部分を矢印のループで表現するなど、細かなところにもこだわりました。
──ミッキーマウスのデザインも目を引くのですが、どのような経緯でこのデザインに決めたのでしょうか。
今回の商品では、地球環境に対する気付きをビックリマークで表現しており、その気付きを環境保護のための行動に結び付けたい、という思いが込められています。
ミッキーマウスの一歩踏み出すポーズは、新しい未来に向かって、ゲストの皆様と一緒に進んでいこう、というイメージで描きました。
パークの風景といったデザインではなく、あくまでもキャラクターたちの思いや願いがベースになっていますね。
まだ構想段階ですが、ミッキーマウス以外のキャラクターを起用することも、選択肢の一つだと考えています。