ももクロの軌跡を凝縮したような全方位型セットリスト

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各メンバーがももクリへの意気込みを語る中、百田夏菜子は「今できるももクロの“ファンタジー”を、モノノフのみなさんと一緒に作れたら」という言葉を残しました。それに続くナレーションでは「今回のももクリは、ももクロとモノノフが作る秘密のネバーランド」とも。ネバーランドと言えば『ピーター・パン』に出てくる、永遠に年を取らない子どものままでいられる楽園。例え今宵限りの儚いファンタジーだとしても、そんな夢の空間を一緒に作る共犯者になってほしい。このライブに賭ける願いと覚悟が込められているように感じました。

ステージに5人が登場すると、地鳴りのような歓声が響きます。巨大なスクリーンとメンバーの動きがシンクロする、こちらも昨年と同様の演出で5人のメンバーを紹介。そして放たれたももクリ2日目の幕開けとなる1曲は、布袋寅泰が作曲・編曲を手掛けたことで話題の『サラバ、愛しき悲しみたちよ』!

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ももクロは多くのクリエイターから楽曲提供を受けていますが、ももクロの個性やカラーに作者側が寄り添っていくもの(やくしまるえつこ作『Z女戦争』はこっち)や、リフひとつとってもHOTEI印が刻まれている『サラバ~』のように作者の個性を前面に出したものなど、楽曲によって作者の「ももクロとの距離のとり方」が垣間見えるようで面白いです。

さらに『サラバ~』のカップリングである『Wee-Tee-Wee-Tee』『黒い週末』を連打するという荒技をかましていくももクロ。 特に6分超の長尺チューン『黒い週末』のダークな世界観がたまアリの広大な空間に充満していくさまは、観ていてゾクゾクしました。

オープニング映像で「ももクリ、それはももクロの原点であり集大成」というナレーションもありましたが、この日の選曲はこれまでのももクロの軌跡を凝縮したような全方位型セットリスト! シングル、カップリング、アルバム曲、カバー曲……どれをとっても、ももクロのライブに欠かせない曲ばかり。筆者は「捨て曲」という言葉が大っ嫌いなのですが、そんな言葉の出る幕が一切ない圧倒的な内容でした(初日もすさまじかったようですね。両日のセトリを見比べると、ライブの緩急のつけ方がだいぶ違っていて興味深いです)。