狙い目は価格上昇が小さい27インチモデル

液晶ディスプレイの売れ行きが好調だ。新型コロナウイルス感染症拡大に伴うテレワーク需要や巣ごもり需要などによって20年春から活況が続いている。今年に入ると勢いは落ち着き、8月現在で販売台数前年同月比が88.3%と2桁割れになった。しかし販売金額は109.5%と堅調。平均単価が1年で2割以上上昇しているためだ。

インチサイズ別の販売台数構成比で、最も売れているのは23.8インチ。全体の25.7%を占める。平均単価(税抜き、以下同)が1万9000円台と手ごろなのも理由のひとつ。次いで27.0インチで20.6%、24.5インチが10.9%、21.5インチが10.3%と続く。この1年で構成比の動きをみると、1位の23.8インチはおおむね25%以上を維持、4月には34.2%と構成比が拡大した。しかし、5月以降20%台半ばに戻っている。構成比で4位の21.5インチは、この1年で5.9ポイント構成比を下げた。一方、構成比2位の27.0インチは3.6ポイント上昇し、1位の23.8インチに接近している。

インチサイズ別構成比の動きは、価格の変動によるところが大きい。この1年で液晶ディスプレイ全体では22.2%と2割以上上昇した。売り上げの多い上位7サイズで最も上昇率が高かったのが24.0インチ。昨年8月比で36.1%上昇し、この8月の平均単価は2万2800円だった。次いで21.5インチで34.2%上昇して1万5400円になった。構成比を大幅に下げた要因だ。上昇率の3位が23.8インチで30.4%と、やはり3割以上上昇した。一方、最も上昇率が低かったのが、27.0インチだ。わずか3.0%の上昇にとどまっている。平均単価は3万2400円と大きさに応じてやや高めではあるものの、相対的にコストパフォーマンスが高まっており、人気化している。

液晶ディスプレイの平均インチサイズは、8月現在で25.1。昨年8月比で0.43大きくなった。より快適な作業環境を求めて、やや大きなディスプレイを求める傾向は今後も継続するものとみられる。そうした中、大きさで選ぶなら、価格上昇率の小さい27インチモデルは、今が狙い目だ。(BCN・道越一郎)