バンドマンなんて永遠の無い物ねだりなんだよ!
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ぶう:団長にしても閣下にしても、やっぱり元々リーダーだから大変なんだね。ボクはふたりとは違ってそういう苦労してないですから。メンバーは「オマエは勝手にやってていいよ」ってスタンスですからね。
団長:それもボーカリストの特権だよね。それは信頼されてるってことだから。
閣下:そんな風に違いがあるわけだから、ゴールデンボンバーとは違うところがあるんだから、そこと被らずやっていける可能性もあるはず。
ぶう:ボクはアンチゴールデンボンバーみたいな人がウチに来てくれればいいと思ってるくらいですよ。だってここまで売れちゃうと「なんか違うな」って思っちゃう人も出てくると思うんですよ。ヴィジュアル系なんてそもそもそういう所から始まってるわけじゃない。少数派でいたいっていう子が好む音楽。ボクもそうだったし。そういう人たちに言いたい。「大丈夫だ、えんそくはいつまでたっても一般ウケはしないぞ」と!
団長:だったら今すぐその優しげなアイラインやめなよ(笑)。
ぶう:いや、ボクは最近ヴィジュアル系を守りたいっていう気持ちもあるんだよね。俺とか団長とかは好き勝手やって「ヴィジュアル系のタブーを犯していこうぜ!」ってやってたと思うんですけど。だって、なんなの? その白塗りに「V」とか「2」とか「6」とか!
――それはNoGoDのニューアルバム『V』の発売日が2月6日(水)だからです。
ぶう:10年前ならヴィジュアル系でこんなのありえなかったと思うけど、今の子たちはこれが「アリ」なわけでしょ?
団長:カッコつけないことがカッコいいっていうのはあるよね。
ぶう:そうすると普通のヴィジュアル系バンドが笑いに走ったりするじゃない。君たちカッコいいんだからカッコつけなきゃって、ボクから見て思うのに、ハンチクな笑いを取ろうとして……。それで昔ボクがカッコいいと思っていた正統派のヴィジュアル系バンドがいなくなったじゃないですか。気軽に声もかけられない、笑いないんて一切ないみたいな。そういうのは悲しいことじゃないですか。
ボクが好きだったヴィジュアル系っていうカルチャーを守りたいって気持ちもあるわけで。最近はボクらが見本になってもいいんじゃないかって偉そうにも思ったりして。だからやっぱりブログとかで「今日何食べた」なんてことは書かなくていいんだよとか古臭いことも考えたりして。今更ふざけてきたボクがやっても後の祭りかもしれないけど。そういうバンドが出てきて欲しいですよね。
閣下:でもそんなバンドが生まれてきたら生まれてきたで、またぶうさんが苦しくなるんじゃない?
ぶう:うん、だからボクは無い物ねだりでいたい! いいんだよ! バンドマンなんて永遠の無い物ねだりなんだよ! それがお客さんに伝わってたらいいじゃん。「ぶうってない物ねだりして定まらないよね」って思われて生きるのがバンドマンかなって。「俺のキャラはこうですから」って必死につらくなるまで守ってるほうがおかしいというか、「じゃあなんでバンドやってるんだよ」って。