田中碧 (C)スエイシナオヨシ

中盤の3人が日本代表にリズムとアイデアをもたらした。崖っぷちに立たされた森保ジャパンを救ったインサイドハーフの守田英正と田中碧だが、試合後に結果への安堵や今後への手応えを語りながらも、まだまだと課題を口にした。

殊勲の先制弾をマークした田中は、さらなる高みを目指していた。
「個人的にまだまだ手応えはないと言うか。田中碧がいるメリットをもっともっと出さないといけない。ミスも何回もあったし、試合の強度ももっとレベルを上げなければいけない。もっともっとボールを握りたいし、もっと守備をハメたいというのもある。そこをまたしっかり反省して、個人としても成長しなければいけない、チームとしてももっと成長できると思う。もっと中盤を制圧していかなければいけないし、もっと制圧できると思うので、まだまだ足りない」

攻守に存在感を発揮した守田は、失点に直結したファウルを悔やんでいた。
「サウジアラビア戦もスタートから出られずに敗戦して難しい気持ちになっていた。今回先発起用してもらえるということで、何が何でも勝たせたいという気持ちが大きかった。個人としては、2次予選から無駄なファウルで失点する面はまだ改善されていないと思った。あと一歩早く寄せられれば、その一歩が命取りになると痛感した。ファウルをしたのはペナルティエリアの外というのはわかっていたが、一本で決め切る力を世界は持っている。個人の課題としてこれからも取り組みたい」

ふたりの後ろでフォローに回った遠藤航は守田、田中とのコンビネーションに自信を深めていた。
「攻撃は3人の距離感を意識して、しっかりボールを動かしていこうと話した。守備はふたりに結構行かせて、自分はDFラインの前に立って、こぼれたボールはしっかり奪うような意識だったので、役割がハッキリしていてよかった。中盤3人があれだけ距離感よく動くことができれば、周りの選手もより生きてくると思う。彼らはどちらかと言うとボランチの選手なので、とにかくボールは触ってやり易いようにやってくれてよかった。ポジショニングの流動性はふたりが入ることで生まれたと思う」

新たな戦力が台頭したのは今後へつながる。4-2-3-1だけではなく、4-3-3が新たな武器になったのも明るい材料だ。勝って兜の緒を締める選手たちの姿勢も頼もしい。何よりも『FIFA ワールドカップ カタール2022』アジア最終予選グループBで3戦3勝と首位を走るオーストラリア代表に2-1で勝利した事実は大きい。日本代表はこれで2勝2敗のイーブンとした。次戦は11月である。日本は11日(木)・ベトナム戦、16(火)・オマーン戦とアウェイ2連戦に臨む。日本代表はここから勝点を積み重ねていく。