5. 昭和天皇も鑑賞された!?『ミッキーの捕鯨船』
1938年に公開された作品で、ミッキー、ドナルド、グーフィーの3人がクジラと奮闘するお話になっています。
実はこの作品、あの昭和天皇もご覧になったという記録が残っているのです。
宮内庁が昭和天皇の足跡をまとめた『昭和天皇実録』によると、太平洋戦争開戦の翌年、1942年の自身の誕生日に、『ミッキーの捕鯨船』を鑑賞しているのです。
当時、アメリカと日本は交戦状態で、ディズニー作品はまさに、敵国の文化の象徴でした。
そんなときに、皇居では昭和天皇がミッキーの姿をご覧になっていたのは、とても興味深いですね。
ちなみに、原武史『「昭和天皇実録」を読む』の最後に紹介されている「太平洋戦争期における天皇の映画鑑賞一覧」という資料には、ほかにも様々な映画のタイトルが紹介されていますよ。
6. 魔法使い姿はもはや定番『ファンタジア』
『白雪姫』『ピノキオ』に続いて、1940年に公開された、ディズニーの長編アニメーション作品です。
この作品は、8つの短編作品から構成されていて、基本的にセリフはありません。
オーケストラ演奏によるクラシック音楽に合わせて、独創的なアニメーションが展開されていきます。
以下は、作品の中で使われている楽曲です。
- J.S.バッハ『トッカータとフーガ ニ短調』
- チャイコフスキー『くるみ割り人形』
- デュカス『魔法使いの弟子』
- ストラヴィンスキー『春の祭典』
- ベートーヴェン『田園交響曲(交響曲第6番)』
- ポンキエッリ『時の踊り』
- ムソルグスキー『禿山の一夜』
- シューベルト『アヴェ・マリア』
この中で、ミッキーが出演しているのは、『魔法使いの弟子』です。
帽子にマント姿のミッキーは、ファンの間で「ソーサラーミッキー」とも呼ばれ、特別な存在になっています。
ちなみに、ミッキーが仕える、偉大な魔法使いの名前は「イェン・シッド」と言います。
英語で書くと「Yen Sid」、これは「Disney」を逆から書いたものになっているんですよ。
なお、ダイヤモンド・コレクションでは、これまでのDVDではカットされていた、サウンドトラック(休憩)のシーンが再録されています。