その斬新きわまるビジュアルや演出に「フォオオオォ!」「おいなりさんだ」「成敗!」などキャッチーなセリフの数々、さらに美少女キャラたちのお色気シーンが程よく加わり、小学校高学年~中高生のジャンプ読者に大ウケした。
ちなみに『変態仮面』が連載されていた1992~93年は週刊少年ジャンプの黄金期まっただ中。発行部数が現在の2倍以上、600万部をコンスタントに超えていた時代の作品である。そのため連載期間がわずか1年(全6巻)でありながら、目にしたことのある読者は相当多いはず。『ドラゴンボール』で孫悟空の親子が地球を守るためセルと必死に戦っていた頃、変態仮面はしれっと同じ誌面上でパンティをかぶっていたのである。
■現実に影響を与えた変態仮面
そんなわけで読者の記憶に強く残っている『変態仮面』。終了から今年で20年になるが、いまだにさまざまな場所でネタにされている。
まずは漫画好きが集まるインターネット掲示板の2ちゃんねる。ここでは変態仮面が定番のAA(アスキーアート=文字だけで作ったイラスト)になっており、変態ネタ・股間ネタなどが出てきた場面で貼られることが多い。
『変態仮面』の知名度が悪い意味でニュースになってしまったこともあった。今から4年前、鳥取が誇る名横綱・琴櫻(ことざくら)関の銅像に、何者かがパンティをかぶせたのだ。その特徴的なかぶり方は、どう見ても犯人が
『変態仮面』読者だったことを連想させる。この神をも恐れぬ所業に鳥取県倉吉市長は激怒し、ネット住人たちは「変態仮面wwww」と茶化した。それ以降も犯人が捕まったという情報は聞かない……。当時のニュース記事などは【横綱・琴桜の銅像の顔に女性用下着…市長が発見して激怒】(zenbackキーワーズ)を参照していただきたい。
さて、『変態仮面』映画化にタイミングを合わせた最新の動きも紹介しよう。スマホで撮影した写真を漫画っぽく加工できる無料アプリ「オタクカメラ」が、このたび『変態仮面』とのコラボを実現。誰でも気軽に変態ヒーローになることができるようになった。【オタクカメラ 紹介記事】TABROIDちゃんねる参照。
また、劇場公開に合わせて『変態仮面』のノベライズも決定。さらに本家より危険な書籍として、変態仮面を強烈に意識したと思われる写真集『かおぱん。―女子校生パンティ仮面』も今年2月に出版。いろんな意味で、世界に誇る日本の”変態”ムーブメントが加速している。