『ドラゴンボールZ 神と神』3月30日(土)より公開。(C)バードスタジオ/集英社  (C)「2013ドラゴンボール」製作委員会

17年ぶりに『ドラゴンボール』の劇場版最新作が登場する――そんなニュースを聞いて飛び上がり、思わず舞空術に開眼してしまったファンは少なくないのではないか。3月30日(土)より公開される映画『ドラゴンボールZ 神と神』は、ストーリーやキャラクターデザインに原作者の鳥山明が参加していることからも、マンガ・アニメファンの間で大きな話題になっている。

とはいえ、前作『ドラゴンボール 最強への道』が公開されたのは1996年で、当時10歳だった人でも、いまや27歳。子どものころに“かめはめ波”の練習をしていた世代は、すでに社会に出て働くビジネスパーソンが多いだろう。

そうなると、「ドラゴンボール史上、最強の敵役って誰だと思う?」というより、「誰を上司にしたい?」なんて話題で盛り上がることになる。時の流れを感じる話だが、実際、インターネット掲示板でも度々、議論が交わされているようだ。ということで、今回は『ドラゴンボール』に登場する“慕われる上司”たちについて考えてみたい。

■“理想の上司NO.1”は、戦闘力53万!?

インターネット上で評判の“上司”として真っ先に挙げられるのは、100を超える惑星を支配する宇宙の帝王=フリーザ。巨大掲示板で「フリーザ様が理想の上司とされる訳」という“コピペ”があるほどだ。

いくつか例を見てみると、印象的なのは「部下相手にも敬語を使う」。

確かに、フリーザは「ザーボンさん」「ドドリアさん」と、部下にも敬語で接しており、もっと言うと敵方にも「ベジータさん」など、言葉としては丁寧に接していることがわかる。高い目標を達成する実力と、巨大な権力を持ちながらも、普段は物腰が柔らかい。確かに、上司として理想的かも。

また、ファンならではの少しマニアックな視点として、「弱い部下には武器を与える」(下級の兵士がビーム銃などを備えている)、「ダメージ回復にはメディカルマシーンと福利厚生完璧」のほか、「雑魚部下でも名前と顔をきちんと認識している」というものがある。悟空の実兄であるラディッツ(フリーザにとっては下級戦士)の名前をしっかり覚えていたエピソードが、ファンの記憶に残っているみたい。ワールドワイドな大企業の社長が、一般社員の名前や特徴までしっかり覚えている……と考えると、働くモチベーションも上がりそうだ。

■スパルタでも、実は優しく見守ってくれる緑の人

 

一方で、いつもクールなピッコロ(マジュニア)にも、上司の素質アリと考えたい。

前出のラディッツが地球に襲来した際に、悟空が身を呈して動きを封じている隙に、必殺の「魔貫光殺砲」で二人を貫き、結果として地球を守ったピッコロ。父親を亡くした悟飯の師匠となり、最初こそ何もない荒野に放り出すなど、そっけない態度で厳しい課題を突きつけていたが、影から見守りつつ、本人が持つポテンシャルを最大限に引き出していった。悟飯をかばい、地球を侵略にしにきた新たなサイヤ人=ナッパの攻撃を受けて命を落としたシーンに涙したファンも多いだろう。


厳しくも優しく、本当の危機には助けてくれる。世界征服を目指した過去はどうあれ、まさに理想の上司と呼ぶにふさわしく、結果として悟飯は父と並んでピッコロを尊敬し、彼のために危険なナメック星に旅立っている。