『映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館〈ミュージアム〉』 3月9日(土)より公開 (C)藤子プロ・小学館・テレビ朝日・シンエイ・ADK 2013
  

毎年3月は、『ドラえもん』の劇場版が公開される時期。大人になっても楽しみにしている人は多く、またドラえもんの誕生日(2112年9月3日)まで「100年を切った」ことが各メディアで取り上げられた昨年以来、再び“ドラえもん熱”が上がってきたという人も少なくないだろう。

少し頼りないものの、どうしても憎めない「のび太」、自分本位なところはあっても、なんだかんだで仲間思いのガキ大将「ジャイアン」、ずる賢い印象もありつつ、次々と周囲の人が興味をもつアイデアをひねり出す「スネ夫」、思いやりがあり、誰からも愛される「しずか」ちゃん――そして、どこか間の抜けた僕らのヒーロー、ドラえもん。

 

『「スネ夫」という生きかた』横山泰行著 

 後のアニメ・マンガ作品のキャラクター造形において、ある種のテンプレートにもなっている特徴的な登場人物たちは、大人になってから触れてみると、また違った表情を見せてくれる。『ドラえもん』は、人生や人間学を学ぶテキストとして捉えることもできそうだ。

実際、本サイト(究極の世渡り上手!?ドラえもん研究者が語る「5つのスネ夫力」 [https://ure.pia.co.jp/articles/-/8906])でも取り上げた『「スネ夫」という生き方』(アスコム)の著者で、富山大学の横山泰行名誉教授は、各キャラクターの行動パターンや関係性を学術的に研究し、『ドラえもん学』を提唱している。