強いものにはおべんちゃらを使い、弱いものには少し嫌味で、鼻持ちならないキザなヤツ――そんなステロタイプなキャラクターとして、『ドラえもん』のスネ夫を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。しかし、このスネ夫の生き方にこそ、現代をたくましく生き抜く上での多くのヒントが隠されている――そう語るのは、『ドラえもん』を学術的に研究し、『「スネ夫」という生き方』(アスコム)を上梓した富山大学名誉教授の横山泰行さんだ。
『ドラえもん』のコミックス全45巻にあるテキストをすべてエクセルで管理するなど、キャラクターの行動パターンを分析。「ドラえもん学」を提唱し、『「のび太」という生き方』(アスコム)がベストセラーになった横山さんは、さらに研究を続けるなかで、スネ夫が持つ多くの魅力を発見したという。
「お調子者、二枚舌など、マイナスのイメージが先行していますが、スネ夫は好奇心旺盛でホメ上手。自分を少しだけ立派に見せるセルフプロデュースに長け、自分が経験したエピソードを面白おかしく話し、祝祭空間をその場に作ってしまう天才でもあります。こんなにバイタリティにあふれた人物が周りにいれば、それだけで楽しいでしょうし、コミュニティは活性化するはずです」
ぜひとも身につけたい“スネ夫力”について、いくつか整理してみよう。
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