――作曲はひもりさん。
ひもり:「売れたい」っていう気持ちと「売れそうな」要素をせいいっぱい詰め込んだので、展開を無理やり作ってるんですけど、テンポも良くてストレートなサウンドです。
――終盤の畳み掛けがすごいですね。すでにライブでも披露していて、大変盛り上がっている曲だそうで。
16:なんというか「バカっぽい」作品にはなったんじゃないかな。「ツーバスが速い!」「速弾きが速い!」みたいな中学生が考えるような要素がふんだんに入ってる。たいてい速さに対する追求はどこかで卒業しちゃうじゃないですか。
木村:普通に考えたら速ければいいってもんじゃない。
16:どんどん大人びた音楽になっていくと思うんですけど、それに逆行してどんどん幼児化していく音楽になっています。
ひもり:中二病的な音楽ですよね。速い! 強い! 変なことやって目立ちたい!
――それは歌詞にも言えることですね。「売れて社長と友達になりたい」とかストレートな欲望を出すことは普段あまりないじゃないですか。そこにストレートな欲望の出た演奏があって、ひとつひとつのドヤ感を恥ずかしいと思ってないと。
ひもり:そういう感じで「こいつらバカだな」と受け取ってもらえれば。
木村:でも忘れちゃいけないですよね。ここがスタートですから。
「ライブ中にマグロを投げる」という特許を取っておけばよかった。
――そしてカップリングの話もしましょう。ついに『マグロに賭けた男たち』が全国流通に乗ってしまいますよ。
16:反対したんですけどね。
ひもり:この曲入れるなら新しい曲入れようと。
木村:うん。
――ではこれはどなたのアイデアなのですか。
ひもり:大人の力が働いて。
――大人のみなさ~ん?
YAMAHAの人:ライブでも盛り上がりますし、人気の曲なので……。
ひもり:『マグロ』が今の我々の代表曲だということもわかったんで。体制も変わりましたし、新たにレコーディングしたのでかなり印象も変わっています。
16:音像部分も変わりましたし。それなら広がりをもたせたい、というメーカーへの願いをこめて……(YAMAHAの人の方を見つめる)。『ゴリラ』的に、どこかのテレビ番組で流れたりするような使い方をされてほしいなと。
――たしかに『ゴリラ』はワイドショーなどでも使用されていましたね。
16:マグロが出てきたらこの曲がテレビで流れる、みたいな。打首獄門同好会やjealkbに負けないように! オリジナルは一応我々の方ですよ!
――何故かこの「魚を投げる」というパフォーマンス、ミュージシャン人気が異様に高いですよね。
16:「ライブ中にマグロを投げる」という特許を取っておけばよかった。
――取れるんですかね? そもそもどうして「マグロ」をテーマにした曲を?
16:私が「マグロに賭けた男たち」(※青森県のマグロ漁師にスポットを当てたドキュメンタリー番組)にすごく感銘を受けて作ろうと思ったんです。
ひもり:でもこんなに長いことやるとは思ってなかったね。
――代表曲と呼べるくらい成長しましたよね。ライブのクライマックスはこの曲というイメージがあります。
16:ライブの空気も変えられるし、どんなに感傷的なところをみせたところで、最後にこの曲をやると「我々のやりたいことはこれです!」というところが言い切れる曲なんで。便利ですね。こうやってシングルに収録されたことで、あわよくばテレビで流れたりしてほしいし、あと漁港さんと対バンしたいです!