秋元康総合プロデュースの声優アイドルプロジェクト・22/7(ナナブンノニジュウニ、通称・ナナニジ)が3月27日、Zepp DiverCity(TOKYO)で東名阪ツアー「22/7 LIVE TOUR 2022『14(フォーティーン)』」のファイナル公演を開催した。
本公演は新メンバー8名が加わった14人の新体制によるステージ。この記念すべき日を目撃しようと、現地のみならず配信でも多くのファンが参加した。さらに9thシングルの発売、本ツアーの追加公演も発表となった夜公演の模様をレポートする。
ステージ狭しと並んだ14の黒い影が光を浴びて新生22/7が登場し、ライブが幕開け。『ムズイ』から『理解者』へ、かつてない厚みのハーモニーを響かせ、一糸乱れぬパフォーマンスで楽曲が生まれ変わった。
これまでの22/7の歴史もフォーメーションの変化とともにあったが、迷いや恐れを感じさせない強さを持って“今、ここ”へと見る者の意識を釘付けにする。そんな緊張を解いたのは、爽やかな青春曲『ポニーテールは振り向かせない』。『何もしてあげられない』のドラマ性あふれる群舞も圧巻だった。
「ツアー最終公演、有終の美を…」と言うつもりが「“最終”の美を飾る」と言い間違えてしまった宮瀬玲奈。舞台出演で経験を踏み続けている成果だろうか、堂々とした口ぶりで「それくらい、気合が入っているということです!」と乗り切り、場を和ませる。
そして天城サリーを支柱とし、全員がパッと両腕を広げて作り出す大きな帆で、よりメッセージ性強く漕ぎ出した『風は吹いてるか?』。望月りのが、伸びやかな歌声でその進みを押す。河瀬詩と椎名桜月をはじめメンバー同士ペアとなって手と手を取り、見つめ合いながら夢の宇宙を描く『君はMoon』。
一転して、キレキレのダンスが目を奪う『Just here and now』。「理由がなきゃダメ?」と甘えたセリフを披露する白沢かなえは、次の『韋駄天娘』で先頭に立って力強く走り出した。ソロフレーズの歌い継ぎからも、新メンバーそれぞれの声の魅力が引き立つ。
なかなかの運動量と思われる3曲を経て、22/7の仲の良さが浮かぶ、癒やしのアンセム『循環バス』へ。乗車率の分だけ増えたメンバー間の痴話ドラマを追いきるには、残念ながら目が足りない。
ほぼ毎日、一緒に練習してきたという14人。ある時、いつもと違うメニューを試してみようと「先輩メンバー6人」と「後輩メンバー8人」で踊り、お互いに感想をコメントしあうことになったという。天城は「こんな恐ろしい練習、誰が考えたんだろうね」とメンバーにこぼしたが、実は白沢と宮瀬発案だった、という裏話も披露された。
そこで涼花萌が「萌先輩かわいい」とコメントをもらったことを笑顔で話すが、すぐに「本当は?」と詰め寄られ「先輩方かわいい」だったと白状させられる場面も笑いを誘う。また、この日、楽屋での天城と涼花のいたずらに宮瀬が引っかかってしまった話でも、河瀬の「いいかげんにしてください」というツッコミが光っていた。
ここで、新メンバーの自己紹介。昼公演で話された内容も含みつつ、あらためて8人のユニークなキャラクターをお届けしよう。
チアダンス仕込みの元気さで客席や配信視聴者に声掛けをし「国民的アイドルといえばナナニジと言われるくらい、大きなグループにする! 私自身も元気をいっぱい与えられるアイドルになりたい」と頼もしい夢を語ってくれた「りのち」こと望月りの。
「ナナニジのプリンスの座を狙っています!」と宣言するのは、メンバー全員を“彼女”にする勢いの「えまっちゃ」こと月城咲舞。
インドネシア出身の「るーちゃん」こと四条月の特技はインドネシア舞踊と、アナウンサースクールにも通っていたという下地のあるニュース原稿を読むことで、その天然すぎる挨拶が笑いを呼ぶ。
「大好きな歌を歌うことで思いを届けていきたい」と、穏やかながらも芯のある声で伝えた「しぃちゃん」こと椎名桜月。今日が誕生日ということで、昼公演では2日後に誕生日を控えた望月とともにサプライズで祝福を受けた。
「みなるん」こと清井美那は、フラッシュ暗算を特技とする頭脳と山岳部で養った体力と精神力を持ってグループへの貢献を誓う。メンバー1の小柄さだが、このライブを通してもそれを感じさせないダイナミックなパフォーマンスで魅せてくれた。
水泳とバレエを得意とし、演じることに憧れがあるという「おとぼう」こと雨夜音は、緊張しやすい性格の様で「スンってしていたら、手を降ってください」とお願いする様が微笑ましかった。
日本代表にも選抜されたフェンシングと、長く続けてきた茶道の腕前を誇る一方、変な擬音語を日常会話に盛り込むことも特技な「まおすけ」こと麻丘真央。
「なおてゃん」こと相川奈央は「普通で何でもない私を特別にしてくれるナナニジと、ファンのみなさんに恩返しをしていきたい」と控えめな言葉と、自称「あざとい」笑顔のギャップで惹きつけた。