「3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~」 カメラ:上山陽介

そして再びMCへ。齊藤京子の決めポーズ「きょんこハート」に合わせ、アドリブでメンバー全員でハートを作るなど、日向坂46らしい団体芸で観客を楽しませる。また、東京ドームの天井スピーカーに打球をあてた近鉄のブライアントにならい、全員でスピーカーに向かってオードリー春日の持ちギャグ「トゥース」を決める。

さらに、アイドル界屈指の「ドラゴンボール」ファンである丹生明里の「かめはめ波」で5万人のウェーブが実現。会場を一周して戻ってきたかめはめ波でメンバーが吹っ飛び、笑いを誘った。初の東京ドームでも、バラエティに強い日向坂46らしい姿を見せた。

ここからは、1期生から3期生が順に新旧の曲を披露。

1期生は、けやき坂46時代の「こんな整列を誰がさせるのか?」、日向坂46に改名してからの「My god」を続けて歌い、成長を見せた。2期生と3期生の上村ひなのは、「Dash&Rush」で会場を縦横無尽に走り回る。さらに2期生は、けやき坂46時代の曲「未熟な怒り」をパフォーマンス。3期生は、持ち曲の「この夏をジャムにしよう」「Right?」を2曲続けて披露し、末っ子らしいかわいさで魅了した。

最後に再び1期生が登場し、「それでも歩いてる」を熱唱。人生への応援歌とも言える歌詞がスクリーンに表示され、ファンの涙腺を刺激した。また、ステージ上には卒業した長濱ねる、柿崎芽実、井口眞緒の分の椅子も用意され、今までグループに在籍していた全員でここに立ったのだというメッセージを発信した。

「3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~」 カメラ:上山陽介

ここから全員曲に。3期生たちによるかわいらしい寸劇をはさみ、「アザトカワイイ」を披露。次に、グループの中でもダンスの実力が屈指と言われる東村芽依が、「ソンナコトナイヨ」のセンターを務める。「期待していない自分」では、佐々木美玲が熱のこもったパフォーマンスで魅せた。

続く「君しか勝たん」では、パフォーマーが参加してステージの上で大道芸を繰り広げる。 けやき坂46時代にグループの転機になった、日本武道館3days公演を彷彿とさせるようなサーカス的な演出で、間奏中にはメンバーが箱の中から現れたり消えたりするマジックも成功させ、会場を沸かせた。

再び期別で、1期生が「永遠の白線」、2期生が「半分の記憶」といった懐かしい楽曲を歌う。ともにリリース当時の衣装を身につけており、古くからのファンは感慨を覚えただろう。

そしてダンストラックでクールな踊りを決めた後、最新シングル「ってか」をパフォーマンス。日向坂46史上もっとも激しいと言われるダンスで、“踊れるグループ”としての力量も見せつけた。

ここからはライブ本編の終盤。「NO WAR in the future 2020」で、メンバーがバルーンやフロートに乗り込んで会場をあおると、ファンがハンズアップで応える。そして定番曲「誰よりも高く跳べ!2020」では、大サビ前でキャプテンの佐々木久美が「東京ドーム、跳べー!」と過去最高の絶叫を聞かせた。この2曲の流れで、メンバーのテンションは最高潮に達し、ライブに強い日向坂46の姿を強烈に焼き付ける。

ここでメンバーがはけると、VTRが流れる。「私達の目標だった、東京ドームでのコンサート」という潮紗理菜のナレーションに続いて、メンバーひとりひとりの声でこのドーム公演への思い、そして待ってくれていたファンへの感謝が語られる。「私達はまだまだ止まりません」と、次の展開に向けたメッセージも含まれているのが印象的だった。

「3周年記念MEMORIAL LIVE ~3回目のひな誕祭~」 カメラ:上山陽介

そして円形ステージがせり上がり、真っ白な衣装をまとったメンバーたちが登場。「JOYFUL LOVE」のイントロが流れると、客席のサイリウムがブロックごとに同じ色で統一され、東京ドームに七色の虹が出現。これは日向坂46のファンが自主的に行なっている恒例の演出で、「ライブはおひさまと一緒に作り上げるもの」というグループのモットーを体現するものだ。

さらに、佐々木久美が「おひさまのみなさんと出会えたことが、何よりも私たちにとって宝物です。これからも皆さんの作ってくださる虹とともに歩いていきたいです」と語ると、すべての照明が落とされ、メンバーの衣装に明かりが灯る。七色の虹の上を白い光に包まれたメンバーたちが歩いていく光景は、東京ドームの歴史にも残るだろう感動的なシーンとなっていた。

ここで本編が終了。そしてアンコール明けにはうれしいサプライズが待っていた。