中澤佑二(FC東京)  (C)J.LEAGUE PHOTOS 中澤佑二(横浜F・マリノス)  (C)J.LEAGUE PHOTOS

連勝が止まったホームチームと勢いが出てきたアウェイチーム。5月3日(金・祝)・日産スタジアムでキックオフを迎える横浜F・マリノス×鹿島アントラーズの構図は開幕当初と逆転しつつある。開幕6連勝のロケットスタートを切った横浜FMだが、7節・アルビレックス新潟に初黒星を喫すると、8節・ヴァンウォーレ甲府に試合終了間際、同点弾を許した。中村俊輔のフリーキックで先制し、守り切る必勝パターンを崩されたのは、気になる。一方の鹿島は上げ潮状態である。序盤は1勝2分1敗ともたついたが、ここ4試合は引き分けを挟み3連勝。

5月3日(金・祝) 横浜F・マリノス対鹿島アントラーズ J1リーグ戦 チケット情報

ここ2試合の対戦相手も興味深い。横浜FMも鹿島も10位・甲府、14位・新潟と対峙した(ホームとアウェイの状況も同じ!)。横浜FMは前記の通り、鹿島はホームで甲府と引き分け、アウェイで新潟に3-2と競り勝った。結果、横浜FMは勝ち点19の2位、鹿島は勝ち点15の4位となったのだ。

もちろん、ここ2試合の状況だけで鹿島有利と言うつもりはない。両軍の構図は逆転しつつあるだけで、立場が逆転したわけではない。要するに、J1リーグ戦9節の結果が大事になるわけだ。

ともにセットプレーには一家言持っている。横浜FMには前節でJ1直接フリーキック16得点目を決め、遠藤保仁とともに1位タイとなった中村俊輔がいる。直接FKだけではない。187cmの中澤佑二をはじめ、184cmの栗原勇蔵、181cmの富澤清太郎と高さを誇るターゲットも駒が揃う。セットプレーの強さを問われた樋口靖洋監督が「キッカーとターゲットの質が高いから」と胸を張ったのも頷ける。

鹿島には質の高いボールを放つ野沢拓也がいる。直接FK13得点と5位タイの小笠原満男も控える。ターゲットとなるのは187cmの岩政大樹だ。持ち前のヘディングの強さとともに巧みマークを外すテクニックで毎年5点前後を稼ぐ。中澤と繰り広げられるだろうセットプレーを巡る攻守両方での制空権争いは、勝敗の鍵を握るひとつの要素と言える。

ただ、勝敗を決するのはセットプレーや守備、バランスだけではない。黄金期を築いた時の横浜FMと鹿島は、勝者のメンタリティがあった。ゲーム内容が良くて勝利するのは当たり前。6節までの横浜FMも、5節以降の鹿島も、内容が悪くても勝つゲームを見せている。流れの中で得点が決まらなくても飛び道具のセットプレーやショートカウンターで勝ち点3をものにする。たとえ相手に押し込まれても安心して見ていられる。相手の長所を消し、勝つ。そんなチャンピオンにふさわしい戦いぶりを見せるのは横浜FMか、鹿島か。両者の立場が5月3日(金・祝)・日産スタジアムで明確となる。試合当日はウルトラマンやウルトラマンゼロが来場するなど、イベント盛りだくさんの『ファミリーjoinデイズ』を開催。チケット発売中。