比嘉暢子役の黒島結菜 (C)NHK

 2022年度前期のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」が、4月11日から放送スタートとなった。沖縄本土復帰50年の節目に送るのは、復帰前の沖縄で四人兄妹の次女として生まれ育ったヒロインが、やがて上京し、沖縄の家族に支えられながら料理人の道を目指す50年の物語だ。ヒロイン・比嘉暢子を演じるのは、沖縄出身の黒島結菜。放送開始を前に撮影の舞台裏や本作に懸ける意気込みなどを語ってくれた。

-朝ドラはこれまで「マッサン」(14~15)や「スカーレット」(19~20)に出演した経験がありますが、今回はヒロイン役ということで特別な思いはありますか。

 朝ドラに限らず、作品として携わるものはどれも同じぐらい大切にしています。でも、今回は朝ドラということに加え、地元の沖縄の話で、しかもそのヒロイン役。そういう三つの要素が一つになっていることが特別に感じます。地元・沖縄の物語でヒロインを演じられることが、すごくうれしいです。

-暢子と黒島さん自身の共通点は?

 暢子はおいしいものが大好きで、運動が得意で、ご飯を作るのも食べるのも大好きな女の子です。そういう部分は、私も似ています。でも、暢子は私よりもだいぶ元気で、皆に愛される力もずっとあるような気がします(笑)。

-そういう元気いっぱいな暢子を演じる感想は?

 すごく楽しいです。実は、私自身はあまり感情を表に出すタイプではないんです。でも、暢子を演じている中で、明るくて元気で前向きなキャラクターに引っ張られ、楽しい気分になったり、人見知りが少し解消されたりすることもあって。そういう意味で、私自身も暢子からいい影響をたくさん受けている気がします。

-暢子を演じる上で、こだわっていることは?

 おいしいものをおいしく食べることは、遠慮せずやるように心掛けています。普通、食事のシーンではせりふをしゃべらなければいけないので、食べる量を少なめにしがちなんですけど、今回はそういうことはあまり気にしないようにしています。だから、口いっぱいに頬張りながらせりふを言っている場面もたくさんあると思いますが、それはそれで暢子らしくていいかなと思って。

-食事のシーンが多そうですが、食べ過ぎには気を付けているのでしょうか。

 あまり気にしていません(笑)。昼食後、すぐに食事のシーンになることもあるんですけど、普通に食べています。「おなかをすかせておこうかな」ということもありますが、いいタイミングで食事のシーンになることが多いんですよね。先日も、ちょうどおなかがすいてきた頃におそばを食べるシーンがあったので、おいしく頂きました(笑)。やっぱり、撮影をしていると頭を使うので、おなかがすいてエネルギーが足りなくなってくるんです。「食べることは大事だな」とこの作品で実感したので、食事はきちんと取るようにしています。

-撮影で大変なことややりがいを感じる部分はありますか。

 撮影スケジュールを見ると、ひたすら「暢子、暢子、暢子…」と名前が並んでいるので、すごいなと(笑)。遅い時間になると「疲れた」と感じることもありますが、皆さんと一緒に「頑張ろう!」という団結力が出てくるのがまた楽しくて。だから、大変なこともありますが、それを上回る充実感があるので、とても楽しくやっています。

-暢子と兄・賢秀(竜星涼)、姉・良子(川口春奈)、妹・歌子(上白石萌歌)という4人の兄妹の絆もドラマの見どころになりそうですが、撮影が進む中、演じる皆さんと兄妹感みたいなものも生まれているのでしょうか。

 すごく仲よくなりました。昨年の11月から12月にかけて沖縄ロケに行ったときは、皆で集まって話をする機会もあったので、距離がぐっと縮まりました。おかげでその後、東京のスタジオで撮影に入ってからも、4人そろうとすごくほっとするんです。ただ、今は沖縄から上京した暢子が東京のレストランで働いているシーンを撮影しているので、兄妹のやり取りが電話のシーンだけなんですよね。だから、すごく寂しくて。逆に、たまに会えると、本当の家族のように懐かしくなったり…。この4人で兄妹を演じることができて、すごくよかったです。

-暢子の母・優子役の仲間由紀恵さんも沖縄出身ですが、地元の話で盛り上がったりすることもあるのでしょうか。

 劇中に登場する共同売店のセットには、沖縄で売っていた菓子パンなど、なじみのある食べ物が並んでいるんです。それを見て、仲間さんと「こんなのあったね」と、一緒に懐かしんだりしていました。そのときは、「仲間さんも一緒なんだな」と思ってうれしかったです。沖縄ロケのときも、実際に行くのは難しかったんですけど、「どこそこのお店がおいしいらしいよ」という話をしたり。食べ物の話で盛り上がることが多いです。

-沖縄ロケで印象的だったシーンを教えてください。

 どのシーンも、沖縄の自然の美しさを改めて実感したので印象深いです。中でも一番は、初回の冒頭のシーンを撮影したときです。カメラを積んだドローンが、海から上がって、シークワーサーの木の下に立っている暢子まで移動していくんですけど、強風で撮影できないかもという心配もあったので、無事に撮影できたときは、すごくテンションが上がりました。物語の始まりにふさわしい沖縄の美しさが伝わるシーンなので、いい映像が撮れて本当にうれしかったです。

-黒島さんにとって、沖縄はどんな存在でしょうか。

 心のよりどころです。今はコロナ禍で気軽に帰ることはできませんが、以前はつらいことがあると、休みが2日あれば、沖縄に帰って、海を見て、家族と会って、また東京に戻ってくる、ということもしていました。そんなふうに自分をリセットできる大切な場所です。

(取材・文/井上健一)

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