市川海老蔵が5月29日、都内で「市川海老蔵 古典への誘い~江戸の華~」の製作発表会見を行った。
「古典への誘い」は伝統芸能をよりわかりやすく多角的に伝えようと、海老蔵自らが企画し、2012年にスタートさせたもので、今回がその第2弾。今年は歌舞伎の伴奏音楽として主に舞踊で親しまれている「清元」をテーマに、海老蔵が『保名』『お祭り』の2演目を踊るほか、海老蔵の口上、清元のみの演奏で『玉屋』を披露する。
海老蔵は「去年の公演からプラスアルファして、13会場で23公演行います。日本には様々な古典芸能がありますが、みなさまと触れ合う機会は少ないように思う。歌舞伎俳優として自分にできることは、なかなか足を運べない方々のところへ自分で出向くことではないかと考えた。そうすることで少しでも古典芸能に触れていただくことができたら」と企画趣旨を説明。
「歌舞伎では長唄、常磐津、義太夫と様々ありますが、今回は清元にスポットを当てて、踊りを中心にさせていただきました。『保名』は一度踊らせていただいてますが、ひとりで踊るにはなかなかの大曲。古典としてきちんと勤めていきたい。父も祖父もやっていますし。『お祭り』は父が病で倒れた際に私が代役で踊らせていただいたが、いたらなさも感じました。あらためてお祭りらしく、演出も少し変えさせていただいて勤められれば。『保名』ではしっとりした物狂いを、『お祭り』では晴れやかなものをご覧いただけるようにしていきたい」と意気込みを話した。
若者の古典離れについて質問されると「明日あさって、10代、20代の方々が歌舞伎座の前に列をなす、というのは不可能です。一歩一歩積み重ねていくしかないし、また、それが大切なことだと思う」と決意を語った。
公演は10月5日(土)から31日(木)まで全国13会場にて。チケットぴあでは、10月7日(月)の東京・浅草公会堂、10月16日(水)の神奈川県民ホール 大ホール、10月17日(木)の東京・文京シビックホール 大ホールの3公演のインターネット先行抽選を実施中。6月4日(火)午前11時まで受付。