逸ノ城 (C)日本相撲協会

逸ノ城にとって長い8年間だったことだろう。ざんばら頭の逸ノ城が100年ぶりとなる新入幕初優勝達成かと思われる快進撃を見せたのは2014年『九月場所』のこと。賜杯には手が届かなかったものの13勝2敗の文句なしの好成績で殊勲賞と敢闘賞をダブル受賞。幕下付出から初金星獲得まで5場所、幕下付出から新三役まで6場所など異例のスピード出世を見せてきた逸ノ城は、あっという間に横綱まで駆け上がっていくと思われた。しかし、椎間板ヘルニアなど度重なる腰痛に苦しみ、思うように星を伸ばせなかった。2019年の『三月場所』では14勝1敗でも優勝できない不運にも見舞われた。

そんな逸ノ城が初優勝を遂げたのが『七月場所』だった。新入幕から所要47場所、史上9位というスロー記録である。『五月場所』は新型コロナウイルスによって休場、新型コロナによって休場者が相次ぐサバイバルの中残した12勝3敗は立派な数字と言えよう。

ここで『七月場所』の取り組みを振り返ってみたい。
初日・左張り手から左上手を差し、引き付けて出る会心の相撲で関脇・若隆景を寄り切った。
2日目・右を差し、左上手を狙うも関脇・大栄翔に振りほどかれたが、構わずそのまま押し出した。
4日目・大関・貴景勝の突き押しを受け止め、左上手を掴み、右下手も取って堂々の寄り切り。
5日目・横綱・照ノ富士を寄り立て一度は堪えられるも、引き付けてから寄り切った。6年ぶりの照ノ富士撃破を飾った。
6日目・出足よく左上手を掴み、右を差し、大関・御嶽海を危なげなく寄り切って6連勝。
7日目・左上手が取れず、引いたところを大関・正代に押し出されて初黒星。
8日目・左上手の取れない逸ノ城が琴ノ若に寄り切られて連敗。
10日目・回り込む玉鷲を離さず寄り倒して勝ち越し。
12日目・スピードでかく乱しようとする翔猿をよく見て距離を取り、落ち着いて押し出し。
14日目・左上手を切られた逸ノ城が巻き替えにいってところを明生に寄り切られて手痛い3敗目。
15日目・左張り手から左上手を取り、胸を合わせて宇良を寄り切り。3敗で並ぶ照ノ富士が結びの一番で貴景勝に敗れ、初優勝が決まった。

一夜明け会見で「この優勝をきっかけに、しっかり上を目指してがんばっていきたい。三役、大関を目指していきたい」と改めて決意を口にした逸ノ城は現在、大事な『九月場所』、そして勝負の『十一月場所』へ向けて、夏巡業で汗を流している。

『大相撲九月場所』は9月11日(日)~25日(日)・両国国技館にて開催。チケットは8月6日(土)午前10時より一般発売。

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