逸ノ城 (C)日本相撲協会

23年ぶりの3関脇3小結となる『大相撲九月場所』。『三月場所』から小結として8勝・8勝・9勝と3場所連続勝ち越した豊昇龍がついに新関脇に昇進。3場所連続関脇で臨んだ若隆景も8勝7敗、大栄翔は部屋から新型コロナウイルス感染者が出て13日目から途中休場を余儀なくされて6勝7敗2休、関脇に据え置かれた。先場所小結の阿炎は8勝7敗(8月31日に新型コロナ感染が確認され、『九月場所』の出場可否は未定)、前頭筆頭の霧馬山も同じく8勝7敗で勝ち越して小結に名を連ねた。そして逸ノ城である。新入幕47場所となる『七月場所』で初優勝を遂げた逸ノ城は再び三役に返り咲いたのだ。

『七月場所』では鋭い出足から左上手を取り、得意の右四つに組み止めて前に出る盤石の相撲を披露した逸ノ城。8月29日の番付発表の際には「優勝してからの三役なので責任がある。今までとはちょっと違う。これからは三役に定着して、さらに上を目指せるようにがんばっていきたい」と抱負を口にした。続いて目標には「平幕でふた桁勝つのと三役でふた桁勝つのは全然違う。それを目指してやっていきたい」と自身初となる三役でのふた桁勝利を挙げた。逸ノ城が今場所ふた桁勝利の目標を達成すると、そう来場所には大関取りがかかるというわけだ。

もちろん上位陣も黙ってはいないだろう。不振続きの大関陣だが、先場所は正代が10勝5敗、貴景勝が11勝4敗と揃ってふた桁をマーク。先場所中日に休場となった御嶽海を含め3大関は2年8か月ぶりに開催された巡業で元気な姿を見せている。横綱照ノ富士も巻き返しに虎視眈々。2場所ぶり8度目の賜杯に照準を合わせている。

果たして、今場所主役となるのは誰か。初優勝を飾り来場所大関取りへつなげたい逸ノ城か、意地を見せたい横綱か、はたまた大関・三役陣か。『大相撲九月場所』は9月11日(日)に初日を迎える。9月25日(日)まで両国国技館にて連日開催。チケット発売中。