「クマのプーさん」展が、東京・立川のPLAY! MUSEUMにて2022年7月16日(土)〜10月2日(日)、名古屋市美術館にて2022年10月8日(土)〜11月27日(日)に開催。

プーマニアのライターが、展示の内容を徹底解説!

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3部構成の展示でプーの世界を体感

「クマのプーさん」展は大きく3つの展示で構成されています。

文字やプロップスを用いた解説、実際のカラー原画、映像インスタレーションと、それぞれ異なる手法でプーの世界を表現しています。

一貫しているのは、様々な展示を通じて「クマのプーさん」が生まれた世界観を感じられることです。

展示の目玉は、「クマのプーさん」の挿絵画家E.H. シェパードによる、約100点もの貴重な原画。

これまでもプーの原画の展示会は日本で行われてきましたが、今回は米エリック・カール絵本美術館に所蔵されているカラー原画を中心とした原画たちが来日。

正確な記録は残っていないものの、おそらく日本初の展示となります。

貴重な原画たちは保管状態も良く、「昨日描かれたみたい」(修復士)、「とてもみずみずしい」(監修の安達さん)という品質。

プーの豊かな世界に出会える、貴重な企画展です。

プーさんの世界を知る

展示室に入って最初のコーナーは「Pooh A to Z」。

Aは「America」、Bは「Bear of Very Little Brain」と、Zまで26個の展示があります。

「クマのプーさん」が生まれた世界や背景について、日本のクマのプーさん研究の第一人者である安達まみ先生の解説文と共に巡ります。

歴史順などではなく、A〜Zのアルファベットをテーマに展示が散りばめられているのもポイント。

難しい解説を読むというより、小物や木の香りも感じながら、プーの世界観がどう構成されているのかを感じ取れる空間です。

頭文字のアルファベット自体も展示になっており、会場の一部からはミュージシャンの坂本美雨さんによる物語の朗読も流れています。

コブタ(ピグレット)やトラー(ティガー)といったキャラクターの解説をはじめ、A.A. ミルンやE.H. シェパードといった人物、北極やクリスマス・イブなど関連するキーワード、そして石井桃子といった日本での紹介に関わった人物まで幅広く紹介。

ナンセンスに散りばめられた展示は、散文家であるA.A. ミルンの特徴を思わせます。

個々の解説をじっくり楽しむも良し、全体的にプーの世界観を味わい、ナンセンスながらなんとなく順番に進んで行ったり多様な背景を持っていたりする様子を楽しむも良し。

A〜Zのキーワードは、図録にて50のキーワードに拡大して解説文が掲載されているので、持ち帰って図録でじっくり楽しむのもおすすめです。

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