『ザ・ファイター』(10)『世界にひとつのプレイブック』(12)『アメリカン・ハッスル』(13)などのデビッド・O・ラッセル監督の7年ぶりの最新作『アムステルダム』が、10月28日(金)から公開される。その出演者たちが、ラッセル監督や撮影現場の雰囲気について証言した。
本作は、楽観主義者の医師バート(クリスチャン・ベール)、しっかり者の弁護士ハロルド(ジョン・デビッド・ワシントン)、負けん気が強いバレリー(マーゴット・ロビー)の親友3人組が物語の主人公。
3人はひょんなことから殺人事件の容疑者となってしまう。そこで、元軍人のギル(ロバート・デ・ニーロ)を頼るが、果たして彼は、敵なのか、味方なのか…。
3人は、ぬれぎぬを晴らすために、とんでもなくヤバい作戦を思いつくが、世界の歴史を変えてしまうほどの衝撃的な陰謀に巻き込まれていく。史実とフィクションを融合させた、あり得ないけど“ほぼ実話”の愛と友情のクライムストーリーはどんな結末を迎えるのか。
数々のスターたちが出演している本作。さまざまな撮影現場を経験してきた彼らだが、良作となる作品には、必ず撮影現場でのチームの一体感があるという。本作でもラッセル監督は、俳優たちの意見を聞きながら撮影を進めていったのだという。
本作で、ラッセル監督作品には3度目の出演となったベールは、本作の企画のスタートは約5年前だと明かした。
さらにベールは、ラッセル監督の撮影現場の雰囲気が大好きだという。「デビッドの撮影方法はちょっと変わっている。いつも撮影現場の内側(役者側)にいるんだ。キャストと一緒の場所に身を置いて、実際にその場を感じて、俳優たちと話し合い、意見を聞きながら、その場でアイデアを練っていく。撮影中はそれがずっと続くから、とてもワクワクする」と語った。
ロビーは「監督とたくさんの話し合いを重ねて、自分の役について理解していくのはとても魅力的で楽しかった。彼はとんでもなくコラボ精神が旺盛。だから素晴らしい作品になるんだと思う」と撮影を振り返った。
ラッセル作品初参加のワシントンは「俳優たちは、撮影を通して、いつの間にか監督のことを信頼する。監督も俳優たちのことを家族のように思ってくれる。彼の俳優たちへの愛情はひしひしと伝わる。だからこそ、俳優たちは彼の作ろうとするせりふやストーリーを解釈しようとするんだ」と語った。
そして、俳優歴50年以上の大ベテランで、ラッセル監督と4度目のタッグを組んだデ・ニーロは「彼の作品は、どれもがスペシャルでユニークで、絶対に駄作になることはない。彼とは撮影現場でとても楽しい時間を過ごしたし、みんなを上手にまとめていた。彼の作品なら何度だって出たいんだ」と気持ちを明かした。
当のラッセル監督は「僕が一番大切にしているのは、俳優たちが緊張することなく、心を開放して演技ができる撮影現場の雰囲気。現場ではいろんな化学反応が起こるから、俳優たちといろいろと試しながら、ベストな演技を引き出したいと思っている」とこだわりを明かした。
(構成・田中雄二)