小堺一機  撮影:源 賀津己 小堺一機  撮影:源 賀津己

小堺一機の笑いの世界が凝縮された、毎年恒例の『小堺クンのおすましでSHOW』。その28回目となる今回は『イン・ザ・シェアハウス』というタイトルの通り、シェアハウスを舞台にした100minストーリーと、おなじみの「歌とトークのおすましバラエティーSHOW」の2部から構成される。そこで小堺が今どんな構想を描いているのか、本人を直撃した。

「小堺クンのおすましでSHOW 28」 チケット情報

小堺は『おすまし』のことを、よく「ワクワクドキドキする、年に一回のお祭りみたい」と表現する。そこにあるのは楽しみというワクワクと、大丈夫か?というドキドキのふたつの感情。「謙虚って言うときれい過ぎるけど、いい意味でいつでも自分を疑っていたいんですよね。もっと面白く出来るんじゃないか?って。だから『おすましだよ、さぁ観なさい』とは決して思わない。これは別に卑下ではなく、『今年のおすましはいかがなもんでしょう?』くらいの感覚でいることが、長くやっていく上では大切なことだと思うんです」

芝居パートの『イン・ザ・シェアハウス』で小堺が演じるのは、メイクアップアーティスト。温泉評論家役の松尾伴内と共に、ある設定を使い、「これまでより暴れるつもり」と目を輝かせる。「ここ2年くらい、固い役柄が続いたんですよね。でも今年はかなり余白を残してあるので、そこでどれだけ遊べるか、僕自身すごく楽しみで。特に松っちゃん(=松尾)っていうのは、『きっとこう来るはず』って僕の中で用意しておいた5つのパターンじゃない、6番目を出してくるタイプ(笑)。こちらが予測出来ないその感じが、一緒にやっててすごく面白いんですよね」

『おすまし』がただ笑えるだけのコント集にならないのは、やはりトップミュージシャンをそろえた、生バンドの存在も大きい。「このバジェットで生バンドって、他じゃ絶対にあり得ないですからね。だから僕の中では、いかにバンドのメンバーを笑わせるかってことを第一に考えていて。特に管楽器の人は笑っちゃうと吹けないわけで、逆にちゃんと吹けちゃったらダメ(笑)。妻には『このクラスのミュージシャンの人たちに対して、あなたは失礼だ!』って叱られましたけど(笑)」

この取材中も、小堺の口からは次々とライブのアイデアが飛び出し、さらに「彫刻と同じで、すごく大きな塊からどんどん削り出していって作るのがライブなんです」とも。果たして今年は、ライブという名のどんな彫刻が生み出されるのか。その完成形は9月、東京グローブ座で明らかになる。

公演は9月6日(金)から15日(日)まで東京グローブ座にて。チケット発売中。

取材・文:野上瑠美子