ROTTENGRAFFTY
7番手に呼び込まれたのはROTTENGRAFFTY。MUCCとはかねてから交流があり、2015年にはバンド名にちなんだ語呂合わせで6月9日と6月10日に「ムックとロットンの日」を開催した間柄である。
KAZUOMI(G/Prog)が繰り出すヘヴィなリフが響き、NOBUYA(Vo)の「やろうぜ武道館!」の合図から始まった『世界の終わり』でヘッドバンギングが巻き起こったかと思えば、つづく『D.A.N.C.E.』ではN∀OKI(Vo)が「一緒に踊ろうぜ!」と煽り、狂乱のダンスフロアと化す武道館。
『響く都』ではコールアンドレスポンスを交えMUCCの20周年を祝い、そのままゲストギターとしてミヤを迎え入れ、「とりあえずその場で自分なりのスタイルで好きなようにやり散らかしてくれ!」と始まったのはトリビュートアルバムにも収録されている『蘭鋳』。そして、そのままROTTENGRAFFTYらしいラウドな音楽性の中にキャッチーなメロディが映える最新曲『「70cm四方の窓辺」』を披露。
「俺らはいつでも泥臭いライブハウスにいるから、気に入ったらまたいつでも来てくれ!」とN∀OKIが叫ぶと、フロアからはシンガロングが巻き起こり、ラストナンバーとして演奏したのはアンセム『金色グラフティー』。侑威地(B)とHIROSHI(Dr)の体の芯に響く重低音はバンドを底から支え、フロアには数多くのサークルピットが出現し、フィナーレにふさわしいド派手な盛り上がりを見せた。
GRANRODEO
トリ前はアニメソングを多数手がけるロックユニット、GRANRODEOだ。2014年にMUCCの「SIX NINE WARS –ぼくらの七ヶ月間戦争-」で共演、2015年に開催されたGRANRODEO主催のフェス「GRANRODEO 10th ANNIVERSARY FES ROUND GR 2015」では逆にMUCCを迎えた仲である。
e-ZUKA(G)のギターが唸り、『Pierrot Dancin'』が奏でられる。ロックスター然とした振る舞いのKISHOW(Vo)がハイトーンシャウトを響かせる。フロアではロデオガール、ロデオボーイたち(GRANRODEOのファンの総称)の赤いペンライトが揺れている。続いてのハードロックチューン『ROSE HIP-BULLET』ではe-ZUKAの速弾きに武道館中が釘付けに。
「今日は名前だけでも覚えてください」と低姿勢なKISHOW。MUCCの20周年への祝いの言葉を述べ、「MUCCにはこのバンドにしか出せない色や雰囲気、カッコよさを持っている。そんなバンドが20年間活動できるのは素晴らしいこと。おめでたく思っております」とリスペクトした。e-ZUKAも「MUCCのおかげで僕たちここに立ててます。だから皆さん冷たくしないでね!」とやはり低姿勢。
軽快なMCで場を和ませたあとは、MUCCの『ニルヴァーナ』を披露。フロアではサークルモッシュをする者、全力でヘドバンをする者、ペンライトを振る者、と各々がさまざまなスタイルでGRANRODEOの音を楽しもうとする姿が印象に残った。
ラストは『move on! イバラミチ』を響かせ、「武道館! 良いお年を!」と爽やかに去っていったGRANRODEOのふたりであった。(F)
MUCC
この長いイベントのラストをつとめるのは勿論本日の主役、MUCCだ。
がしゃ髑髏をモチーフにしたバックドロップが掲げられたステージにメンバーが登場するとおのずと拍手と歓声が巻き起こる。今日は一段と「想い」が込められているかのようなミヤ(G)の独白からスタートした『睡蓮』、開戦の狼煙のような逹瑯のシャウトが空間を切り裂いていく。バンドのテンションに呼応するようにフロアも熱を帯びていく。
「沢山の人が、MUCC20周年をお祝いしてくれました」と感謝を伝え、「それはさておき、主役の登場だ!」とブチ上げ『ENDER ENDER』をフロアに叩き込む。縦横無尽にステージをかけまわるミヤ、YUKKE(B)。続いて『謡声(ウタゴエ)』が始まると、バックドロップが切り替わる。心憎い演出だ。
トリビュート・アルバムとイベントについて「好きなアーティスト仲のいいアーティストに声かけて、完成して、こういうアルバムになったわけですが、自分の好きな曲がいっぱい聴けて嬉しいんですよ。自分もできればチケット代を払いたい」とジョーク交じりに想いを語る逹瑯。続いて「何が言いたいかというと“最高”ということです、ありがとうございます」とまとめた。SATOち(Dr)のドラムから『G.G.』へ。