「売れたな」って思ったのは、コンビニで値段を見ないで買うようになった時(まこと)

――メンバー皆さんで売れたい、という共通意識のもと、1994年に『シングルベッド』をきっかけにシャ乱Qはスターダムにのし上がるわけですが、これは何がきっかけだったと思いますか?例えばこれまでと違うことをしたとかありますか?

たいせい「うーん、何やろ……」

まこと「有線放送っていうのはデカかったと思いますね」

たいせい「うん、そうやね。そこからヒットが生まれるというのも、当時は結構多かったからね」

まこと「例えば高山厳さんの『心凍らせて』も有線で火がついたんですが、そう考えると、『心凍らせて』のように、『シングルベッド』は飲み屋とかラーメン屋、そんな皆さんの日常の生活にスッと入るような楽曲だったんじゃないかなと思いますね」

――なるほど。当時、『シングルベッド』をシングルでリリースするのにスタッフの中で「どうなの?」という話があったとお聞きした事があるんですが。

たいせい「当時は結構シャ乱Qとしては勝負の時で、しかもバンド初のバラードだったので、確かにスタッフの方から「まだ早いんちゃう?」「もっと売れてからでええやん!」っていう声はありましたね」

――でもそこを推し進めた事で、バンドの状況が大きく変わったわけですもんね。

たいせい「でもリリースしてすぐはそういう人たちに「ほれ見ろ」って言われてましたね(笑)さっき言ったように、最初は売れなくて、有線から徐々に火がついたので。『シングルベッド』リリースしたのが1994年の10月とかだったんですけど、その年の年末は「次どうすんねやろな~」とか思って落ち込んでたな(笑)」

まこと「メンバー間で言うと、『シングルベッド』ははたけが作曲なんですけど、当時はたけが「せっかく壮大でスケールの大きい曲書いたのに、歌詞がシングルベッドって!」と冗談っぽくボヤいてたのは覚えてますね(笑)」

――(笑)

たいせい「でも多分そのアンバランスさが良かったんでしょうね。曲は壮大だけど、歌詞は『神田川』の世界観というか」

――少し下世話な質問になるんですけど、ずっと売れたいと思っていたおふたりが、「売れたな」と思った瞬間ってありますか?
 

まこと「うーん、コンビニで値段を見ないで買うようになった時ですかね。それまでは頭の中で計算して、1円でも安く済ませようとしていたのが、まあコンビニぐらいだったら値段を見ないで買うようになった時かな。……でも結婚して、おこづかいになって、結局今また値札を見る生活に戻ったけど(笑)」

たいせい「俺はやっぱり街中で声かけられるようになった時かな。でも大概名前間違えられてましたけど(笑)「あ!はたけだ!」とか(笑)」

――あはははは!おふたりとも素晴らしいネタで(笑)

たいせい「はたけやないっちゅうねん!(笑)」