草なぎ剛が主演するドラマ「罠の戦争」の放送が、1月16日からスタートする。本作は、「銭の戦争」「嘘の戦争」に続く、戦争シリーズ第3弾となるドラマで、愛する家族を傷つけられた議員秘書が、知力を尽くして鮮やかな“わな”を仕掛け、悪しき政治家を失脚させる復讐(ふくしゅう)劇だ。草なぎに、本作への思いや、見どころを聞いた。
-6年ぶりのドラマ主演になります。改めて意気込みを聞かせてください。
「頑張ります。うれしいです。精いっぱいやります」。そんな感じです(笑)。
-最初に台本を読んで、どんな感想を持ちましたか。
「銭の戦争」や「嘘の戦争」は、物語の冒頭からパンチのある作品でしたが、今回、僕が演じる鷲津亨は普通の男性です。それ故に、親近感を持っていただけると思います。脚本を後藤法子さんが書いてくださっているので、涙するような感動的なシーンもありますし、鷲津がわなを仕掛けているのか、それともわなにハマっているのか、ドキドキする展開もあり、とても読むのが面白い脚本です。
-第2作目の「嘘の戦争」が終わったときには、シリーズが続くという期待はあったのですか。
僕が出演したカンテレさんの「僕の生きる道」から始まった“僕シリーズ”も3作制作していただいたので、“戦争シリーズ”も3作やりたいという期待はしていました(笑)。今回、(「嘘の戦争」から)6年の間が空いてはいますが、その分、深みや成熟した姿が見せられたらいいなと思っています。僕、ビンテージのギターやジーンズが好きなので、それと同じように(笑)。
-自身の中で成熟したなと、今感じているところは?
早起きになりました。少し早く起きるだけで、台本を読む時間も作れるので、そこは成熟したと思います(笑)。
-そのほかにも、この6年間で、自身の中で変わったと思うことはありましたか。
日々、自分の中で幸せって何かなと、問い掛けるようになったかな。時間の大切さや日常の幸せを考えるようになりました。そういう意味では、この6年で、ガラッと変わったと思います。これまでご一緒してきた先輩方の年齢に自分が近づいたことで、改めて先輩方をリスペクトする気持ちも強くなってきたし、小さな幸せを敏感に感じ取れるようになりました。一日一日を充実したものにしたい。朝は早く起きて、充実した1日を送りたい。それで早起きになりました。
-なるほど、そこにつながるんですね。先輩といえば、「銭の戦争」「嘘の戦争」には、2018年に急逝した大杉漣さんも出演していました。大杉さんは草なぎさんにとってどんな存在でしたか。
とても大きな方でした。一番、ドラマでの共演が多かった方なんじゃないかと思います。ほとんど全部の僕の出演作に出てくださっていましたから。いつもいつも僕を温かさで包んでくれていましたし、漣さんのおかげで大変なドラマを乗り切れたところもありました。ご一緒するたびに褒めてくださるんですよ。それがすごくうれしかった。皆さんがご存じのように、偉ぶったりしない方だったので、取り立てて僕に何かを教えようということではなく、ただ一緒に楽しんで、大きな影響をくださった。今、撮影していても漣さんのことはよく考えます。この「罠の戦争」も、きっと漣さんが見ていてくれるという気持ちでやっています。
-大杉さんの印象に残っている言葉は?
「剛くんはいつも進化しているね」という言葉かな。特に意識していたわけではないですが、そう言われるとうれしくなって、そうなのかな?って(笑)。おだてられていたのかもしれないですが、それはそれで心地よくて、温かいなと感じました。
-改めて、久しぶりの“戦争シリーズ”の現場に帰ってきた心境は?
セットに入ること自体が久しぶりだったので、初日は感動しました。ドラマ撮影の、朝早くに起きて現場に入り、夜遅くまでやっているというルーティーンも久しぶりだったので、今も昔と同じようにやっているんだなと、懐かしくもあり、新鮮でもあります。撮影はやっぱり面白いですね。早く帰りたいと言いながらも(笑)、撮影もお芝居も現場も好きなんだなと思います。
-ところで、本作は鷲津が怒りや悲しみを乗り越えて復讐を果たすというストーリーです。草なぎさんは、怒りや悲しみを乗り越えるときはどのようにしていますか。
僕はすぐ寝ます。とにかく睡眠です。自律神経が整うと、回避できることが多いと思います。体が疲れていると、小さなことにも引っかかってしまう。なので、苦しいことがあっても、とりあえずベッドに入る。嫌なことがあればあるほど、早く寝るようにしています。
-ドラマは1月16日からスタートしますが、23年の目標を教えてください。
まずは「罠の戦争」です。6年ぶりにカンテレさんで“戦争シリーズ”が始まるということは、僕にとっては大きなことです。SNSでも「わなわなしている」とつぶやきましたが、ドキドキやワクワクも入っているなと思うので、「ドキドキ、わなわなしています」とつぶやけばよかったなと。2023年はそのちょっとしたニュアンスを足して向上していきたいと思います。…でも、どうなんだろう、ドキドキを付けない方がいいのかな? …まあ、細かいことは考え過ぎず、卯(う)年なのでポンポンと、寅(とら)年で吸収したことを生かしてステップアップしていきたいです。
(取材・文/嶋田真己)
月10新ドラマ「罠の戦争」は、1月16日から毎週月曜10時に、カンテレ・フジテレビ系で放送。
公式サイト https://www.ktv.jp/wana