「ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズン 青学(せいがく)vs氷帝」が、1月7日(土)に東京・TACHIKAWA STAGE GARDENで開幕した。
2021年5月のお披露目会に始まり、これまで地区予選・都大会と2回の本公演を行ってきたテニミュ4thシーズン。関東大会緒戦の様子が描かれる今回は、青春学園中等部テニス部の主人公・越前リョーマ(今牧輝琉)や部長・手塚国光(山田健登)らの前に、「敗北した者は即レギュラー落ち」という徹底した実力主義の氷帝学園中等部が立ちはだかる。
一幕は氷帝による華々しいプロローグで幕を開けた。テニスにすべてを捧げる決意を歌い上げる青学(せいがく)のナンバーで校内ランキング戦が繰り広げられる中で、前回リョーマに敗北して控えとなった乾による得意のデータテニスや、部活に来なくなってしまう桃城の葛藤などが綴られる。テニミュ4thシーズン初参加の氷帝キャストも個性を存分に発揮し、第1試合のダブルスでは向日(小辻 庵)が青学(せいがく)・菊丸(富本惣昭)と華やかなアクロバット対決を披露。宍戸(広井雄士)と鳳(明石 陸)による氷帝“最強”ペア、唯一無二のパワープレイヤー・樺地(栗原 樹)も、都大会を経てさらに力を高めた青学(せいがく)を迎え撃つ。
二幕の見どころは、何と言っても両校の部長が激突する第4試合のシングルス1だろう。氷帝・跡部役の高橋は、安定した歌声と名ゼリフ「俺の美技に酔いな」を繰り出し、客席を魅了した。青学(せいがく)・手塚役の山田も魅惑の低音を轟かせる一方で、調子を崩してしまう様子を緩急のある息遣いで表現する。テニスでの死闘はボーカルで表現され、二人の熱い掛け合いが胸に迫った。出場の機会をうかがう控え選手のリョーマ、氷帝の次期部長候補・日吉(酒寄楓太)の動向も見逃せない。ラストのカーテンコールではキャストが客席を降りる演出もあり、駆け回る足音が劇場中に響いた。
開幕に際して、青学(せいがく)・越前リョーマ役の今牧は「劇場内は“熱い冬”なので外との寒暖差で風邪をひかないで(笑)」とコメント。青学(せいがく)・手塚役の山田が「普段仲のよい跡部役の(高橋)怜也くんと真正面からぶつかり合う姿を背中で青学(せいがく)部員に見せていけたら」と意気込むと、名指しされた氷帝・跡部役の高橋も「僕たちがいちばん熱い試合を届けるつもりで稽古をしてきたので、その想いを初日にぶつけたい」と受けて立つ。氷帝・日吉役の酒寄は「リョーマに勝つ!という気持ちはもちろん、跡部さんに下剋上する!という気持ちも最後まで持ち続けたいです」と抱負を述べた。
東京公演は1月15日(日)まで。大阪・福岡・岐阜と巡演したあと、2月25日(土)〜3月5日(日)に東京・TOKYO DOME CITY HALLで凱旋公演を行う。チケット販売中。
取材・文:岡山朋代