ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』の日本版初演が2023年1月30日から東京建物Brillia HALLほかで開幕する。
2004年に米国で制作された映画『MEAN GIRLS』をミュージカル化した本作。18年にブロードウェイで開幕し、同年のトニー賞では作品賞など最多の12部門でノミネートされた。日本版初演となる今回は、数々の海外ミュージカルの演出を手掛けた小林香が演出を担い、生田絵梨花が主演する。
アフリカ育ちで16歳のケイディ(生田絵梨花)は、生まれて初めてアメリカに引越し、高校に通うことに。周囲に馴染めずにいたケイディに話しかけたのは、アートフリークのジャニス(田村芽実)とゲイのダミアン(内藤大希)。そして2人から「プラスティックス」という学園の女王様レジーナ(石田ニコル)、カレン(松田るか)、グレッチェン(松原凜子)のスクールカーストTOPの三人組に気をつけるよう告げられて――というリアルな女の子の学園生活を描いたストーリー。
初日を前にした29日、ゲネプロ(総通し舞台稽古)と囲み取材が行われた。
主演の生田は「作品が始まる前は『ポップでキュートなガールズパワーをお届けしたい』と言っていたのですが、稽古を重ねて、それに留まらない作品のメッセージ性をビシビシ感じています」と話す。「ドロドロしていたり、ブラックだったり、尖っていたり、歪だったり。枠にはまらないいろいろな形を見て『いいな』『自分も自分らしくいたいな』と思っていただけるように、そしてきらきらした気持ちを持って帰っていただけるように、みんなで一丸となって頑張っていきたいと思います」。
ジャニス役の田村芽実は「コロナ対策も含めてここまで頑張ってきました。この状況下で幕が開けられることを本当に幸せに光栄に思っています。一生懸命頑張ります」と意気込み、レジーナ役の石田ニコルも「みなさんを引き込んで、楽しませて、あっという間に時間が過ぎるように、私たちも楽しみながら演じたいと思います」と語った。
スラングや若者文化がふんだんに織り込まれている作品。上演台本と訳詞も担当した小林は「カルチャーや時事問題の認識がだいぶ違うので、日本のお客様に(脚本の)ティナさんの意図が明快に伝わるように心がけつつ、日本バージョンの翻訳をしました。キャストの皆さんともディスカッションしながら、より分かりやすく伝わるように、改稿に改稿を重ねました」といい、「笑いありノリあり、可愛らしさあり下ネタあり、そして感動あり。ミュージカルの楽しさがいっぱい詰め込まれた作品になっております。ぜひ全身で(作品のイメージカラーである)ピンクを浴びに劇場に遊びに来ていただきたい」。
東京公演は2月12日(日)まで。福岡公演は2月17日(金)~19日(日)、キャナルシティ劇場。大阪公演は2月23日(木・祝)~27日(月)、森ノ宮ピロティホール。
取材・文:五月女菜穂