撮影:山本聡子

1960年代アメリカの煌びやかなショービジネスの世界を舞台に、女性ヴォーカルグループの栄光と挫折、そして再生を描く『ドリームガールズ』。トニー賞6部門・グラミー賞2部門を受賞し、2006年にはビヨンセ主演で映画化された大ヒット・ミュージカルが、読売演劇大賞で優秀演出家賞を2年連続受賞した演出家・眞鍋卓嗣のもと、初の日本オリジナルキャスト版として上演される。上演を前に、主演・ディーナを務める望海風斗が本作の魅力と舞台にかける意気込みを語ってくれた。

2021年4月に宝塚歌劇団を退団した元雪組トップスター。退団後開催したコンサートツアー『SPERO』では5万人を動員。その後、『INTO THE WOODS』『next to normal』『ガイズ&ドールズ』などの舞台に出演し、圧倒的な歌唱力で観客を魅了し続けている彼女だが、宝塚トップスター経験者ならではの葛藤もやはりあるそうで…。「男役でも女役でも“人間をつくりあげていく”過程は同じ。ひとりで劇場の空気感をいかに変えていくかという点でも、宝塚時代の大舞台での経験が役に立っています。ただ、男役として18年間稽古を重ねてきたため、女性役を演じること自体がまだ不自然というか…。自然にやると、つい風を切って歩いたり(笑)、そのあたりは未だに難しいですね」。

作品ごとにカンパニーが変わるのも、宝塚時代との違いのひとつと語り、「『next to normal』でチームが違った岡田浩暉さんと今回一緒に舞台に立てるのも楽しみ。明るくエネルギッシュな方なので、熱いカンパニーになりそうです。ゴスペルやソウルミュージックを歌われている福原みほさんのグルーヴも凄いし、皆様にいろいろ刺激を受けてますね」と共演者にも期待を寄せる。

制作発表では、エフィ役のWキャスト・福原みほ、村川絵梨、ローレル役saraの4人でテーマ曲『Dreamgirls』を披露。「とにかく音楽が素晴らしく、華やかなステージを観ながら音楽を聴いているだけでも充分に楽しめます。そして本作はヒロインたちが現状を変え、前に進んでいく成長物語。演出の眞鍋さんが『現状を変えたいと思っている人の背中を押せるような作品にしたい』とおっしゃっていたように、観た方にパワーを与えられるような作品にしたいと思っています」。

長く愛されている名曲の数々が本作の大きな魅力。「今一番好きなのは『Dreamgirls』ですが、これから歌い込んでいくうちに好きな曲も変わっていきそう」と笑う。子どものときから歌を通して心を通わせるのが好きで、今また改めて「歌には無限の力がある」と感じているそう。その歌声でどんなドラマを語ってくれるのか。

2月5日(日)~14日(火)東京・東京国際フォーラム ホールC、2月20日(月)~3月5日(日)大阪・梅田芸術劇場メインホール、3月11日(土)~15日(水)福岡・博多座、3月22日(水)~26日(日)愛知・御園座。