Dream Ami (ヘアメーク: Midori Fukuda(Luana)/スタイリスト:Goto Noriko)(C)エンタメOVO

 Dream、E-girlsの中心メンバーとして活動し、現在はソロアーティストとして活動するDream Ami。近年では、舞台作品にも挑戦し、俳優としての活動もスタートした。3月11日から開幕するミュージカル「ジキル&ハイド」には、桜井玲香とダブルキャストでエマ役で出演。Dream Amiにとって、本作は、初めてのグランドミュージカルでもある。本作に懸ける思いや、ミュージカルへの出演を決めた思いなどを聞いた。

-本作は、2001年の初演以来、上演を重ねてきた人気作です。出演が決まったときはどんな心境でしたか。

 すごくうれしかったのですが、驚きもありました。オーディションで選んでいただいたのですが、私はまだ、さほどミュージカルの経験がなかったので、まさか選んでいただけるとは思ってもいなかったです。でも、これも経験の一つだと思って挑んだので、とても光栄ですし、自分にとってこの先の人生を動かす大きなきっかけになるのではないかと思っています。

-もともとミュージカルに出演したいという思いがあったのですか。

 正直にいうと、全然なかったです。私は中学2年生でDreamとしてデビューして以来、グループで歌やダンス以外のこともたくさんさせていただく中で、ミュージカルにも何度か出演させていただいたことがありました。ただ、グループで出演したということもあって、グループ活動の延長線上にあるもののように思っていて、どこか中途半端な気持ちでやっていたんだと思います。なので、そのときは、ミュージカルの面白さが分からなかったんです。演技の経験もなかったですし、自信もなかったので…。ミュージカルを見るのは好きでしたが、出演する側ではないなと思うようになっていました。

-なるほど。

 ですが、歌って踊ることが好きだったので、何度も出た方がいいと勧められてはいたんです。それでも「私はやらない」とお断りしていたのですが、昨年、(所属する)事務所の代表のEXILE HIROさんとお話しさせていただく機会があり、そのときに「ミュージカルをやってみたら? いいと思うよ」と直接、勧めていただいたんです。そのときに、HIROさんから言っていただくということは、本当にやってみた方がいいのかもしれない。今までちゃんとやってもいないのに、やらないと決めていたのはもったいないことだったのかもしれないと思って、昨年、ミュージカルに出演させていただきました。グループを離れて、初めて1人で出演したのですが、それがすごく楽しかった。自分でも驚くほど、またやりたいと思うようになったんです。その矢先に「ジキル&ハイド」のオーディションのお話を頂いたので、こんな私がこのような歴史ある作品に出演させていただいてもいいのかと思いましたが、やりたいという思いの方が強く、受けさせていただきました。

-ミュージカルの面白さは、どんなところに感じたのですか。

 私は、これまで慣れ親しんだ環境に居心地の良さを感じていたので、全く違う世界に入ることには怖さもありましたが、入ってみたら、すごくエネルギーにあふれた、熱い世界でした。アーティストとしての活動とはまた違うものですが、みんなで一つのものを作り上げていくのが面白かったですし、私はやっぱり歌うのが好きなんだと改めて感じました。ミュージカルの楽曲は、私がこれまで歌ってきたようなJ-POPとは違いますが、小学生のときから合唱団に入って歌っていたので、そうした歌を歌う楽しさもありました。とにかく、すごく楽しかったんです。

-今回は、主人公・ジキルの婚約者で、彼をいちずに信じ、支え続けるエマを演じます。今現在は、エマという女性をどう捉えていますか。

 外見は、かわいくて柔らかい雰囲気を持っているけれども、芯のある強い女性だと思います。柔らかさとお嬢さまとしての気品、それから芯の強さを表現できたらいいなと思います。

-同じくエマを演じる桜井さんの印象は?

 メディアを通して見ていたときは、ふわふわした女の子らしい、柔らかな印象の方なのかなと思っていましたが、実際にお話をさせていただいたら、すごくしっかりしていて、自分を持っている方だなと感じました。28歳とおっしゃっていましたが、私よりも年上に感じたほど、落ち着いた方で…ふわふわしているのは私だけでした(笑)。

-ところで、2002年にDreamに加入してから20年がたちました。改めて、この20年間はAmiさんにとってどんな20年でしたか。

 一つ一つを振り返れば、どれも私にとって大きな経験で、濃い20年間でしたが、本当に一瞬でした。14歳でデビューしたときは、こんな道のりをたどっていくとは考えてもいませんでしたし、20年たってもステージに上がらせてもらえていることも想像していませんでした。もちろん、いいことばかりではなく、しんどい経験もたくさんありましたが、それら全てが今につながっているんだと思います。

-この20年間で、Amiさんにとってのターニングポイントは?

 人生が大きく変わったと感じたのは、やはりE-girlsとして活動を始めてからかなと思います。その後、卒業して、ソロになったことで、また次の章に進んだと感じるので、卒業したこともまたターニングポイントでした。そして昨年、初めてミュージカルに出演させていただき、そこでまた新しい道を見つけた気がしています。こうして改めて振り返ってみると、デビューしてから今まで、5年に1回ぐらいのタイミングで、大きなターニングポイントを迎えているように思います。

-22年は、Amiさんにとって非常に大きな1年だったのですね。

 そうですね。プライベートでは出産を経験したこともあり、新たなスタートの1年になった気がします。だからこそ、今年はフルエンジンで進んでいきたいと思います。もちろん、このミュージカルもそうですが、そのほかにもいろいろと準備していることがあるので、楽しみにしていてください!

(取材・文・写真/嶋田真己)

 ミュージカル「ジキル&ハイド」は、3月11日~28日に都内・東京国際フォーラム ホールCで上演の後、名古屋、山形、大阪で上演。公式サイト