貧乏寺が資金繰りのために開いた仏教専門学校『ぶっせん』。ドS僧侶・雲信が学長代理を務め、様々な理由で集まった生徒たちを指導していくというストーリー。漫画原作であることもあり、個性豊かなキャラクターたちが勢ぞろいする本作。9月にTVドラマ最終回をオンエアした後、11月に同じキャストで舞台化が決まっている。ドラマの収録を終えた出演者・吉沢亮、鍵本輝(Lead)、佐々木喜英の3人に、撮影裏話や舞台への意気込みを語ってもらった。
地方ロケは真夏の過酷な時期に、自然あふれる山梨で行われた。クーラーもシャワーもない田舎の寺。そこでキャストを悩ませたある生き物がいたらしい。「僕は大嫌いな虫との戦いだったんです。特にバッタが苦手で、その度にめちゃめちゃ騒ぎながらスタッフさんに取り除いてもらって。でも撮影後半の方は鬱陶しい……位に思えるようになりました!」と、吉沢。鍵本は「僕も得意ではなかったんですけど、ある時、毛虫が睡蓮の葉っぱを登って行くのを、ずっと眺めていたんです。それで、あぁ、虫も生きてるんだなぁと可愛く思えて」と、ぶっせんの生徒らしく(!?)悟りを語った。一方、ライバルの金持ち寺・金々腹寺の僧侶役・佐々木は「僕は1度しか山梨ロケには参加していないのですが、衣装が派手な黄色なんです。ぶっせんのメンバーは黒だから、僕だけが蜂の標的になったんです。最悪でしたよ!!!」と言うエピソードを話すと、一同納得の笑い。
本作はショートコントの連続。撮影直前までミーティングを行い、仲間意識を高めてきた。その役作りをそのまま引っ提げて11月の舞台の稽古に入る。吉沢「最初からドラマでのチームワークもありますし、またこのメンバーで一から作品を作り上げて行けるのがすごく楽しみです。新しいキャストさんも居ますので、更に一丸となってパワーアップできると思います。楽しみにしてください」。鍵本「笑いのある作品なので、お客さんが居て生の空気感でやれるのは舞台ならでは。まだまだ絆を深めて、『ぶっせん』の本領を発揮できると思います」。佐々木「僕は実は坊主頭になるのがすごく抵抗があって、夜逃げしたいくらいだったんです。(笑)でも今は、僕たちが坊主になることでみなさんを笑顔にしたいと思っているので、ぜひ観に来てください」と、胸を張った3人。
スタジオに入った瞬間から終始和やかで笑いに満ちた取材だった『ぶっせん』。互いへの緊張も解け、次のステージに向かっているキャスト陣。冬がはじまる前に『ぶっせん』からもう一度、熱いパワーが貰えそうだ。公演は11月6日(水)より17日(日)まで東京・赤坂ACTシアターにて。チケット発売中。
取材・文:神宮司香